“迷惑登山客”の暴走が止まらない!長時間の自撮り、団体で山頂を占拠…

“迷惑登山客”の暴走が止まらない!長時間の自撮り、団体で山頂を占拠…

「迷惑登山客」山頂を占拠も

“迷惑登山客”の暴走が止まらない!長時間の自撮り、団体で山頂を占拠…

画像はイメージです ©kapinon

近年のアウトドアブームをキャンプとともに支えているのが登山だ。2010年「山ガール」の流行語大賞ノミネートから2016年の「山の日」制定、さらにコロナ禍では密を避けるアクティビティとして注目を集め、話題に絶え間がない。ただ、人気が高まればトラブルも増えるのも常。残念な“迷惑登山者”が増加の一途を辿っているようだ。
今回は、年間100回近く山に登る登山愛好者3名に加え、福岡県内にある山の宿泊施設兼カフェの経営者に、これまで実際に目撃した迷惑行為を語ってもらった。

◆「写真を撮ること」が目的に…

山登りの醍醐味といえば、山頂で味わう達成感と絶景。SNSには様々な山からの美しい景色が投稿されている。しかし、「写真を撮ること」が目的になっている人も多々見かけられるらしい。登山を愛好する杉山さん(仮名・40代男性)は、こう振り返る。

「山頂や絶景ポイントは狭い場所も多いんです。そこで、写真を長時間撮っている人にはよく出くわしますね。数人集まって何分も自撮りして、やっと終わったと思ったら、今度は個人がそれぞれ撮影を始めたりして。

登山に慣れている人は、ある程度の時間で順番を譲りますし、『撮りましょうか』と次の人の撮影を手伝ったりする方もいます。後ろがつかえているのに気付かないのは、登山に慣れていない方が多いですね」

◆30人の団体客が山頂を占拠していた

杉山さんの登山仲間の楠元さん(仮名・40代女性)は、次のような経験をしている。

「佐賀県の黒髪山の山頂でのことです。すこし広くなっている場所なんですが、30人くらいの団体が、そこでお昼ご飯を食べ始めちゃって……。私たちもせっかく登ったのに山頂に入れませんでした。あとから来た人たちも、『あ、(山頂には)あがれませんね』と、残念そうに帰って行かれました」

◆“山に合わない服装”でやってくるビギナーたち

山登りをする際、念入りに調べてそれなりの装備を揃えて挑むのが当然だと思えるが、そうでもない人も多いと、楠本さんは話す。

「先日、阿蘇山の山頂で、柄シャツにデニムと街中を散歩するような服装の人が歩いてたんですよ。手にはパンフレットを一枚だけ持ってました。どうやら、道に迷っているみたいだったんです。なんだか憔悴した様子だったので、持っていたスポーツドリンクをあげたら、本当に喜んでくれました」

阿蘇山は、山頂近くまで車で登れるため、何の気なしに登山道に入り込んできてしまったのだろう。軽装で飲み物を持たずに道に迷う。街とは違う危険がすぐそこにある状況。気を付けたいものだ。

さらに、アニメ『鬼滅の刃』の影響から、ありえない服装で登山をする人を見かけたというのは、田畑さん(仮名・40代男性)だ。

「福岡の宝満山の中腹に竈門神社という場所があるんですが、ここが『鬼滅の刃』の聖地なんですよ。だから、神社にもコスプレの人が来ます。宝満山は、山伏の修行場でもある割と険しい山なんですが、その登山道に炭治郎の格好をした人がいてびっくりしたことがあります。それだけでも危ないのに、コスプレの格好で下駄を履いていた人もいたので『それで怪我して動けなくなったら、誰が助けるんだよ』と思いましたね」

◆カップ麺の汁を山に捨てるのは…

田畑さんによれば、登山道でタバコを吸っている人を見かけることもあるが、大抵の場合「あ、やべっ」といった様子で申し訳なさそうにするという。自分が悪いことをしているという自覚があるだけまだいいですよ……という田畑さんは次のように続けた。

「山の上で食べるご飯は美味しいですよね。カップ麺でも山で食べると最高です。でも、残りの汁を山に捨てる人を結構見かけます。汁を固める凝固剤も売ってあるので、必ず持って帰ってほしいですね」

山を知らないものにしてみれば、「肥料がわりに」程度の気持ちで捨てているのかもしれない。しかし、塩分や栄養分の高いカップ麺の汁によって、山には本来存在しない栄養環境が生まれる。すると、周辺の植物の生育に影響を及ぼす可能性もあり、環境的に大きな問題があるという。

また、臭いの強いカップ麺を捨てると、熊や猪などの危険な動物を登山道近くにおびき寄せてしまうことにもなり得るため、非常に危険な行為だ。

◆スピーカーで大音量の音楽をかけながら…

サウナでの迷惑行為に“ドラクエ”と呼ばれるものがある。4〜5人でやってきて、サウナや水風呂、外気浴スペースへ全員で行動する人々。狭い浴場で連なって行進する姿がドラクエのパーティに似ていることから命名された。

若い世代に多く、スペースを占拠したり、大声で会話して他人のリラックスを妨げるため、他の客に嫌われる。1日に同じコースを5往復することもあるという杉山さんは、山でも似たような状況に遭遇した。

「4~5人の若い人が、Bluetoothのスピーカーで大音量の音楽をかけながら登っていました。『うるせーなぁ』と言いたくなるくらいのボリュームでした。登りで追い越して、下りですれ違うときにもまだ大音量の音楽を鳴らして騒いでいたので、さすがに注意しました。すると、思ったより素直に音量を下げたので、僕もホッとして下山したんですよ」

しかし、事はそれでは終わらない。

「僕は1日に同じ山を何往復もするので、もう一度登って行ったら、頂上でまた大音量で大騒ぎしていたので、本当に怒り心頭でした!」

ドラクエの彼らも、まさか何度も同じ山に登ってくる人がいるとは思わなかったはずだ。若い世代はサウナでも居酒屋でも山でも、目の前の友人との会話に夢中になりすぎる傾向にあるのだろう。杉山さんは「山も公共の場所であることを理解してほしい」と訴える。

◆監視カメラに写っていたのは…

街中のように飲食店もなければ、もちろんトイレなども少ない。そうしたことから、今回話を聞いた3人も、登山中に明らかに人のものであると思われる排泄物を見かけたことがあるという。また、大量のティッシュで覆い隠されている“何か”を見ることもあるとのこと。

しかし、福岡県内の山の登山道近くで宿泊施設とカフェを経営する岡村さん(仮名:40代男性)は、登山者の“ある行為”が不法投棄防止のために設置された監視カメラに映っていたという。

「そのカメラには、夜中になると野生動物がたくさん映ります。鹿や猪、ウサギや狐などが通り過ぎるんですが、その最後に、人間が出てきたんです。初老の男性なんですけど、顔を見たらよくこの山に登っている方で、何をしているのかと見てたら、“手仕事”をされてたんですよ。男性が仕事を終えた後にはティッシュが残されていました。その後、何日も映像を確認していたら毎朝5時くらいにここにきて、そのソロ活動が日課だったことがわかりました」

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これから秋も深まり、登山にもピッタリの季節がやってくる。初心者であればこそ、謙虚に経験者の話を聞いたほうがほかならぬ自分のためになるはずだ。

<取材・文/Mr.tsubaking>



【Mr.tsubaking】

Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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  • 8

    昔は団塊の世代の人たちが迷惑行為をしてましたが、今ではどうなのでしょうね?

  • 7

    どんどん厳しくしてバンバン取り締まっていいと思う 富士山なんかは、その日の状況によって関係者以外入山禁止にしてしまえばいい なんか韓国の宗教団体が来て富士山は自分らのモンだとか言い張って妙な儀式やりだして散々散らかして帰ったりしてる ああいうの警察で捕まえちゃっていいと思う

  • 6

    迷惑登山客は頂上部で押しくらまんじゅ作戦で排除して欲しいよね。 www

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