「トゲトゲに尖ったボールだった」浅川梨奈24歳、反抗期に怒り続けられて“丸くなる”まで
2023年11月15日 18時47分SPA!

ドラマ「帰ってきたらいっぱいして。」出演中の浅川梨奈さん
2014年に長編映画デビュー後、近年までさまざまな作品に出演してきている浅川梨奈さん(24歳)。
思春期を大人たちに囲まれて過ごした浅川さんは、昔は「すごく尖った、トゲトゲのボールのようだった」と言います。でも二十歳を過ぎた頃から、丸いボールになったとか。導いてくれたのは、身近な存在でした。
そんな浅川さんは、現在、「Aぇ! group」の小島健さんとダブル主演を務めるドラマ「帰ってきたらいっぱいして。」で、同棲ラブストーリーを繰り広げています。話を聞くうち、ほぼ自炊だという浅川さんのしっかり者の素顔が。自分とは正反対だと語るTL(ティーンズラブ)漫画家を演じた感想も聞きました。
◆人の話を聞けない子ども
――ハキハキと元気な印象の浅川さんですが、小さな頃でも結構ですけれど、コンプレックスに感じていたことなどはありますか?
浅川梨奈(以下、浅川):基本的にコンプレックスの塊でした。たとえば人の話を聞けないとか。何か言われても全然飲み込めないとか。簡単に言ってしまうと反抗期だったんですけど。それが二十歳を過ぎたあたりから、だんだん言われたことの意味や、人の意見を理解できるようになりました。それまでは、言われても分からないから「いいや」となっていたんです。コンプレックスに感じるべきところだったのに、当時はそう考えすらしなくて。
◆トゲトゲに尖ったボールだった
――早くから大人に囲まれていたことで反発したんでしょうか。
浅川:同世代の友達がほとんどいなかったし、同級生とも話が合いませんでした。今は同級生とも話せるようになったし、同世代の子たちとの関わり方も変わりました。私も丸くなったなと(笑)。すごく尖っていたんです。トゲトゲのボールでした。
――経験や年齢を重ねたことで、自然と丸いボールになったんですか?
浅川:年齢もあると思いますけど、一番はマネージャーさんがめちゃくちゃ怒り続けてくれたことが大きいです。当時はなんで怒られているのか、ほんと分からなかったんですけど、今振り返ると、当然だなと思うし、私の反抗期をよく見放さずにいてくれたなと感謝しかないです。人を怒るって、めっちゃ労力ですよね(笑)。もちろん今でも怒られますけど、昔は「はあ?」となっていたことも、今では「なるほど」と思うようになってきたので、本当に成長させていただいているなと実感しています。
◆仕事だけでなく、人としての面も
――なにかひとつでも、具体的に「これは特に心に留めている」というエピソードはありますか?
浅川:あまり披露できるようなことはないです(笑)。でも、お仕事をしていくうえではもちろん、人として本当に育てていただいたと思っています。中学1年生の頃から大人に囲まれて生きてきて、変なプライドや意地や考えに凝り固まっていたものを、時間をかけてほぐしてもらいました。本当にありがたいです。
――仕事への向き合い方も変わりました?
浅川:変わりました。人との接し方も教えてもらいました。
◆サラリーマンには尊敬しかない
――では、今でも変えたくない、自分の良いところは?
浅川:変えたくないというか、変えられないなと思うのは、やっぱり自分の性格です。常にずっとうるさくしゃべっている、割と誰とでも仲良くなれるタイプの人見知り。そういうところは、いいように捉えてくれる人もいるだろうし、少しうるさいなと捉えられることもあると思います。でもこれはもう性格なので、ちょっとは空気も読みますけど、「それ以上は無理です!」と思っています。
――24歳ですでにキャリアは10年以上です。今のお仕事が合っていると感じていますか?
浅川:むしろこの仕事しかできないと思っています。毎日スーツを着て会社に通っているサラリーマンの方たちのことはすごく尊敬しています。たまに満員電車に乗ったりすると、それだけで苦しいし、それに毎日乗って会社に行って、そうやって世の中で働いている方々がいるのかと思うと、尊敬しかないです。私には絶対できません。
◆2つのスーパーに行って値段を比較している
――ちなみに、浅川さんは普段、ご自宅で料理はされますか?
浅川:毎日ほぼ自炊です。たまの外食はすごく楽しいし、おいしいなと思うからいいんですけど、お金がかかるわりに体に悪かったりするし、基本的に家で作って食べてます。自分でスーパーに行って材料を選んで、季節の野菜とか、いまこんな値段なんだと感じられるのもいいです。
――スーパーに足を運んで、ちゃんと値段を確認して買っているんですね。
浅川:近くに2つスーパーがあるので、どちらの何が安いかをチェックして買ってます。食費も1回にいくらまでと決めて、5日ほどの食材を買っています。
外食ばかりしていた時期もあったんですけど、自炊のほうが効率がいいというと言い方があれですけど、節約して時間もお金もほかのことに使えるし、それに私、白米が大好きなんです。だからご飯は絶対に炊くようにしていて。毎回3合炊いて、冷蔵庫と冷凍庫に小分けで保存して、おかずを自炊しています。
◆放送中のドラマで同棲中
――いまのエピソードだけで、浅川さんと一緒に住みたい読者がさらに増えた気がしますが、現在放送中の主演ドラマ『帰ってきたらいっぱいして。』では、仕事の参考にするため、エリートだけどクズのサラリーマンと同棲する主人公を演じています。タイトルからすごいですが、放送開始直後からかなり攻めた内容だと話題になりました。でもコメディやお仕事ドラマ、人間ドラマなど、さまざまな魅力のある作品ですね。
浅川:オファーをいただいたとき、TL漫画が実写化されることってあまりないので、すごく攻めたことをやろうとしているなと思って、脚本を読んだんですが、いわゆる際どいシーンもありつつ、笑えるシーンもたくさんあって出演させていただきたいなと思いました。
あとで原作漫画を読んだら、本当に激しい内容もあってビックリしたんですけど(笑)。もちろん、ドラマではキュンキュンするラブシーンだけでなく、人間ドラマの部分もしっかり描かれていますし、実際の撮影では、コメディ部分もラブシーンも、脚本で想像していた5倍くらいのパワーを感じる作品になっています。
◆主人公と自分は正反対
――演者としては、どんな挑戦になっていますか?
浅川:私が演じている朱音はアラサーなんですが、年齢よりも子どもっぽくて、大人になり切れなかった大人のような人なんです。恋愛が苦手なこともあって、ひとつひとつのリアクションが大きかったり、ピュアだったりするんですけど、変にそこを意識しすぎると不自然にもなってしまうので、あくまでも私の思う朱音でいいのかなと思うようにしました。
――キャラクター自体には共感したのでしょうか?
浅川:むしろ正反対というか、全然違います。これまでは演じるうえで、自分とつなげて役作りをしていくことが多かったんですけど、今回はゼロベースで作っていった感じです。朱音はとにかく可愛らしい子なので、見ている人が「可愛らしいな」「ウブだな」と思ってくれるようにと願っていました。
◆女性はやっぱりギャップに弱い
――浅川さんも直哉にはドキドキしてしまいそうですか?
浅川:直哉はイケメン、エリートサラリーマンだけど、クズです。でも、実は一途。この“実は一途”というのがポイントですよね。回を重ねていくごとに、女性はキュンキュンすると思うんです。やっぱりギャップですよね。あと、結構くさいセリフとかも出てくるんですけど、普通の人が言ったら許されないような言葉も、さらっと言ってかっこいいんですよ。
――やっぱりギャップには弱いものですか。
浅川:世の女性はだいたい弱いんじゃないですか。自分と出会ったことで一途になる、みたいな。そういう展開とか、大好物ですよね。「ごちそうさまです」みたいな(笑)。朱音にとっても直哉は初めて見る人種だったと思うのですが、彼女の気持ちが見る人に少しでも伝わるように意識して演じながら、「そういうドキドキっていいよね」と温かく見つめていました。
◆駆け引きとかはダルイ!
――浅川さんははっきりきっぱりしてそうです。
浅川:私は遠回りするのとか、めちゃくちゃ嫌いだし、駆け引きとかも「ダルイ!」「そういうのはいい!」と思っちゃうタイプなので、ドラマにならないかもしれません(笑)。
――(笑)。ドラマも後半に入っていきますが、最後にひと言お願いします。
浅川:朱音はTL漫画家なんですけど、恋愛が苦手で、イケメンクズサラリーマンと同棲することによって、TL漫画を完成させていきます。人間ドラマもありつつ、刺激的なラブシーンもたくさんあるので、色々な目線でも楽しんでもらえると思います。ちょっとだけでも見ていただいて面白いなと思ったら、配信もあるので、たくさん楽しんでもらえたら嬉しいです。
<取材・文・撮影/望月ふみ>
【望月ふみ】
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異 Twitter:@mochi_fumi
思春期を大人たちに囲まれて過ごした浅川さんは、昔は「すごく尖った、トゲトゲのボールのようだった」と言います。でも二十歳を過ぎた頃から、丸いボールになったとか。導いてくれたのは、身近な存在でした。
そんな浅川さんは、現在、「Aぇ! group」の小島健さんとダブル主演を務めるドラマ「帰ってきたらいっぱいして。」で、同棲ラブストーリーを繰り広げています。話を聞くうち、ほぼ自炊だという浅川さんのしっかり者の素顔が。自分とは正反対だと語るTL(ティーンズラブ)漫画家を演じた感想も聞きました。
◆人の話を聞けない子ども
――ハキハキと元気な印象の浅川さんですが、小さな頃でも結構ですけれど、コンプレックスに感じていたことなどはありますか?
浅川梨奈(以下、浅川):基本的にコンプレックスの塊でした。たとえば人の話を聞けないとか。何か言われても全然飲み込めないとか。簡単に言ってしまうと反抗期だったんですけど。それが二十歳を過ぎたあたりから、だんだん言われたことの意味や、人の意見を理解できるようになりました。それまでは、言われても分からないから「いいや」となっていたんです。コンプレックスに感じるべきところだったのに、当時はそう考えすらしなくて。
◆トゲトゲに尖ったボールだった
――早くから大人に囲まれていたことで反発したんでしょうか。
浅川:同世代の友達がほとんどいなかったし、同級生とも話が合いませんでした。今は同級生とも話せるようになったし、同世代の子たちとの関わり方も変わりました。私も丸くなったなと(笑)。すごく尖っていたんです。トゲトゲのボールでした。
――経験や年齢を重ねたことで、自然と丸いボールになったんですか?
浅川:年齢もあると思いますけど、一番はマネージャーさんがめちゃくちゃ怒り続けてくれたことが大きいです。当時はなんで怒られているのか、ほんと分からなかったんですけど、今振り返ると、当然だなと思うし、私の反抗期をよく見放さずにいてくれたなと感謝しかないです。人を怒るって、めっちゃ労力ですよね(笑)。もちろん今でも怒られますけど、昔は「はあ?」となっていたことも、今では「なるほど」と思うようになってきたので、本当に成長させていただいているなと実感しています。
◆仕事だけでなく、人としての面も
――なにかひとつでも、具体的に「これは特に心に留めている」というエピソードはありますか?
浅川:あまり披露できるようなことはないです(笑)。でも、お仕事をしていくうえではもちろん、人として本当に育てていただいたと思っています。中学1年生の頃から大人に囲まれて生きてきて、変なプライドや意地や考えに凝り固まっていたものを、時間をかけてほぐしてもらいました。本当にありがたいです。
――仕事への向き合い方も変わりました?
浅川:変わりました。人との接し方も教えてもらいました。
◆サラリーマンには尊敬しかない
――では、今でも変えたくない、自分の良いところは?
浅川:変えたくないというか、変えられないなと思うのは、やっぱり自分の性格です。常にずっとうるさくしゃべっている、割と誰とでも仲良くなれるタイプの人見知り。そういうところは、いいように捉えてくれる人もいるだろうし、少しうるさいなと捉えられることもあると思います。でもこれはもう性格なので、ちょっとは空気も読みますけど、「それ以上は無理です!」と思っています。
――24歳ですでにキャリアは10年以上です。今のお仕事が合っていると感じていますか?
浅川:むしろこの仕事しかできないと思っています。毎日スーツを着て会社に通っているサラリーマンの方たちのことはすごく尊敬しています。たまに満員電車に乗ったりすると、それだけで苦しいし、それに毎日乗って会社に行って、そうやって世の中で働いている方々がいるのかと思うと、尊敬しかないです。私には絶対できません。
◆2つのスーパーに行って値段を比較している
――ちなみに、浅川さんは普段、ご自宅で料理はされますか?
浅川:毎日ほぼ自炊です。たまの外食はすごく楽しいし、おいしいなと思うからいいんですけど、お金がかかるわりに体に悪かったりするし、基本的に家で作って食べてます。自分でスーパーに行って材料を選んで、季節の野菜とか、いまこんな値段なんだと感じられるのもいいです。
――スーパーに足を運んで、ちゃんと値段を確認して買っているんですね。
浅川:近くに2つスーパーがあるので、どちらの何が安いかをチェックして買ってます。食費も1回にいくらまでと決めて、5日ほどの食材を買っています。
外食ばかりしていた時期もあったんですけど、自炊のほうが効率がいいというと言い方があれですけど、節約して時間もお金もほかのことに使えるし、それに私、白米が大好きなんです。だからご飯は絶対に炊くようにしていて。毎回3合炊いて、冷蔵庫と冷凍庫に小分けで保存して、おかずを自炊しています。
◆放送中のドラマで同棲中
――いまのエピソードだけで、浅川さんと一緒に住みたい読者がさらに増えた気がしますが、現在放送中の主演ドラマ『帰ってきたらいっぱいして。』では、仕事の参考にするため、エリートだけどクズのサラリーマンと同棲する主人公を演じています。タイトルからすごいですが、放送開始直後からかなり攻めた内容だと話題になりました。でもコメディやお仕事ドラマ、人間ドラマなど、さまざまな魅力のある作品ですね。
浅川:オファーをいただいたとき、TL漫画が実写化されることってあまりないので、すごく攻めたことをやろうとしているなと思って、脚本を読んだんですが、いわゆる際どいシーンもありつつ、笑えるシーンもたくさんあって出演させていただきたいなと思いました。
あとで原作漫画を読んだら、本当に激しい内容もあってビックリしたんですけど(笑)。もちろん、ドラマではキュンキュンするラブシーンだけでなく、人間ドラマの部分もしっかり描かれていますし、実際の撮影では、コメディ部分もラブシーンも、脚本で想像していた5倍くらいのパワーを感じる作品になっています。
◆主人公と自分は正反対
――演者としては、どんな挑戦になっていますか?
浅川:私が演じている朱音はアラサーなんですが、年齢よりも子どもっぽくて、大人になり切れなかった大人のような人なんです。恋愛が苦手なこともあって、ひとつひとつのリアクションが大きかったり、ピュアだったりするんですけど、変にそこを意識しすぎると不自然にもなってしまうので、あくまでも私の思う朱音でいいのかなと思うようにしました。
――キャラクター自体には共感したのでしょうか?
浅川:むしろ正反対というか、全然違います。これまでは演じるうえで、自分とつなげて役作りをしていくことが多かったんですけど、今回はゼロベースで作っていった感じです。朱音はとにかく可愛らしい子なので、見ている人が「可愛らしいな」「ウブだな」と思ってくれるようにと願っていました。
◆女性はやっぱりギャップに弱い
――浅川さんも直哉にはドキドキしてしまいそうですか?
浅川:直哉はイケメン、エリートサラリーマンだけど、クズです。でも、実は一途。この“実は一途”というのがポイントですよね。回を重ねていくごとに、女性はキュンキュンすると思うんです。やっぱりギャップですよね。あと、結構くさいセリフとかも出てくるんですけど、普通の人が言ったら許されないような言葉も、さらっと言ってかっこいいんですよ。
――やっぱりギャップには弱いものですか。
浅川:世の女性はだいたい弱いんじゃないですか。自分と出会ったことで一途になる、みたいな。そういう展開とか、大好物ですよね。「ごちそうさまです」みたいな(笑)。朱音にとっても直哉は初めて見る人種だったと思うのですが、彼女の気持ちが見る人に少しでも伝わるように意識して演じながら、「そういうドキドキっていいよね」と温かく見つめていました。
◆駆け引きとかはダルイ!
――浅川さんははっきりきっぱりしてそうです。
浅川:私は遠回りするのとか、めちゃくちゃ嫌いだし、駆け引きとかも「ダルイ!」「そういうのはいい!」と思っちゃうタイプなので、ドラマにならないかもしれません(笑)。
――(笑)。ドラマも後半に入っていきますが、最後にひと言お願いします。
浅川:朱音はTL漫画家なんですけど、恋愛が苦手で、イケメンクズサラリーマンと同棲することによって、TL漫画を完成させていきます。人間ドラマもありつつ、刺激的なラブシーンもたくさんあるので、色々な目線でも楽しんでもらえると思います。ちょっとだけでも見ていただいて面白いなと思ったら、配信もあるので、たくさん楽しんでもらえたら嬉しいです。
<取材・文・撮影/望月ふみ>
【望月ふみ】
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異 Twitter:@mochi_fumi
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