過去バレしない元AV嬢の特徴

元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半が経過したところで引退を決意し、現在は同人作品やセクシービデオの脚本など、あらゆる方面で活躍中。
◆過去バレしない元セクシー女優の5つの特徴

　SPA！で連載を始めて1年が過ぎたが、私、たかなし亜妖の過去が未だにめくれていない。いかに自分が不人気女優だったかを思い知らされたものの、もう現役ではないので、特に傷つかなかった。むしろ「うん、そうだよね」くらいの感想しか出てこない。

　速攻で過去バレする元セクシー女優もいれば、全く誰にも知られずにひっそりと社会に溶け込むケースも多いので本当に人それぞれ。私はそこで思った、バレる人とそうでない人の違いは一体どこにあるのだろう？　と……。

　あくまで今回の話は、たかなし亜妖の独断と偏見に過ぎない。憶測程度に理由を5つ挙げるが、以下の内容が「バレない理由の全てではない」点を先に伝えておこう。

◆①単純に知名度がない

　私の場合はこれである。知名度がない＝多くの人に知られていないということなので、バレの確率は大幅に下がる。

　今だから言えるが私は特定のメーカーばかりに出ていたため、そこのファンになら認知されていた。けれども誰もが知る大手メーカーでの単体作品などほぼないし、オファーがあったとしても素人役の企画もの、つまり女優名のクレジットがない作品への出演が7割。これでは過去がめくれないのも当然のことだろう。

「知名度がなければバレない」とは言い切れないが、ほぼ確実に“バレにくい”状態にはなる。

◆②見た目を大幅に変えている

　私の場合はこれである（2回目）。女優は黒ギャルなど少数派カテゴリーの売り方をしていなければ、基本的に黒髪or茶髪＋ナチュラルメイクで仕事をしなければならない。

　メーカー専属なら製作サイドの指示に合わせたキャラクター作りを求められ、前髪のあり・なしや、ヘアカラー、時に髪の毛の長さやカラコンの有無まで全て指定される。事務所が女優のルックスに対して口を出すパターンも多く、一定期間はその姿でいないと契約違反と見なされるため、自分の意見を通すことはまず不可能だ。

　でも、引退後となれば話は別。エクステを付けようが派手なデザインのでっかいカラコンに変えようが、誰も何も言わないので好き放題できる。今まで縛られていたせいなのか、現役を退いた途端一気に見た目や系統を変える元セクシー女優は多い。

　ヘアカラーやスタイル、メイクが大幅に異なれば過去の姿と照らし合わせるのが難しくなる。女性はアプリの画像加工がうまく、おしゃれの仕方を一つ変えるだけで別人級に変身するからこそ、自然と過去バレを防げるのだ。

◆③現役時代にメディアへの露出制限をしていた

　業界ではメディアへの露出制限を「パブリシティ」と言い、制限一切なしの女優を「パブリシティ全開（パブ全）」と呼ぶ。パブ全にすれば露出の機会が増えるのでバレの危険性が上がり、制限をかければその逆をいく。

　テレビにも雑誌にも出ない、SNSもやらない、イベントも開かない。ただただビデオ出演だけを続けても広くの人に知られないため、引退後に女優業をしていた過去がめくれることはあまり考えられないだろう。

　たとえ単体でメーカー専属が長く続いていても、パブに大幅な制限をかけた女優はよほどのファンじゃない限り大きく知名度が上がらない。よって、過去を探り当てられる確率は低い。

　ただバレないとは断言できないので、パブの制限はあくまで予防策程度。興味がない人は全く観ないが、活動履歴がある以上「分かる人には分かる」程度にはなってしまう。

　よって、過去バレしない理由としてはやや弱いと私は思っている。

◆④引退後、作品の削除申請をした

　私の場合はこれである（3回目）。当時はもう二度と表舞台には立たないと思ったので、ゲーム会社に入る前に削除申請を出した。申請すれば作品を販売サイト上から削除できるほか、名前のクレジットもなくなる。

　共演ものに関しては、一緒に出ている女優全員が削除申請を出さない限り取り下げられないため、申し出た女優名のみが消える形になり、作品そのものはサイトに残り続けるのだ。

◆作品が消えるのは公式サイトのみ

　単体作品が多ければ一気にリストから消えるので、過去作品をたまたま観られて「あれ、あの子もしや？」という危険を大幅に回避できるだろう。だからこそ引退して数年経っても未だバレていない、なんて元セクシー女優も実は多い。

　ただ作品が消えるのはあくまで公式販売サイトだけ。無断転載の全削除は不可能であり、海外サーバーのサイトなどはもう手が付けられない。作品数が驚くほど多いので無断転載先でうっかり発見などかなり確率が低いが、有り得ない話ではないと言えようか……。

◆⑤ただただ運が良い

　私の場合はこれである（4回目）。結局1本しか出ていなくても100本以上出ていても身内にバレる時はバレるし、バレないまま一生過ごせる人もいる。

　以前このコラムでも軽く触れたが、私の知人はたった1本しか出ていないのに同級生にバレた。パブに制限をかけ、大々的にプロモーションを行わない小さなメーカーだったにも関わらず、元クラスメイトに知れ渡ってしまったらしい。

　大手メーカー専属を数年間続け、一切過去バレしなかった女優がいる傍らでこの結果である。仕事でも何でも最終的には「運」であり、物事がどのような結末を迎えるかは神のみぞ知るといったところだろう。

◆結局は運次第といえる

　いくら露出制限をしたところで人前に出た以上「バレ」の確率を0％にすることはできない。過去がバレる、バレないは完全に人によりけり。理由はいくらでも述べられるが⑤で解説した通り、結局は運次第という結論になる。

　今の時代は星の数ほどセクシー女優がいるからこそ、過去を完璧に探し当てるのが難しい。もちろん血眼になって探せばいつかは「見ーつけた（笑）」と、辿り着けるのだろうけど、みんなそこまで暇ではないと思うので、だいたいどこかで諦める。よって過去バレしない女優というのが出てくるのだ。

文／たかなし亜妖



【たかなし亜妖】

元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。