競争が激化する業界で「客単価が他店舗平均の2倍」を実現した美容室の全戦略

Robot Icon

AIざっくり要約

  • 福岡県の美容室エルプラスヘアーは、前職で身につけた経験から立地を選定し2022年5月に開業した。
  • 代表の浅富氏はYouTubeなどで集客方法を学び、店舗運営システム導入により効率化とコスト削減を実現した。
  • 独自の「生えグセ改善カット」を行い、新規客と固定客のリピート率が高く、平均客単価が競争他社の2倍となった。

実験的な機能のため、正確性を欠く可能性があります。記事本文と併せてご確認ください。

競争が激化する業界で「客単価が他店舗平均の2倍」を実現した美容室の全戦略

生えグセ改善カットのビフォー&アフターがこちら。その差は一目瞭然だ

‘21年に26万軒を突破(※厚生労働省の「令和3年度衛生行政報告例」調べ)し、過去最高軒数を更新した美容室業界。競争がますます厳しくなる一方で、生き残りをかけてさまざまな工夫を行っている。
◆前職で身につけたスキルが立地選びの決め手に

「うちのお店は2022年5月にオープンしました。その半年前に、現在も売りにしている『髪の生えグセ・髪質を改善するカット技術』の無料体験を先行して実施し、好評をいただいていたとはいえ、コロナ禍での開業は正直不安もありました」

 そう当時を振り返る福岡県の美容室「エルプラスヘアー」代表の浅富総平氏。浅富氏は軌道に乗せるために、美容師でありながら店舗の立地選びから集客・売上増加のための施策まで、あらゆることに尽力してオープンにこぎつけた。

「以前、60店舗ほど運営する美容室チェーンに勤めていた際、スーパーバイザーを担当していました。立地選びは当時の経験がいきましたね。フランチャイズ事業を進める中で、人の流れを考えたうえで立地を決める知見が身につきました。

当サロンは私たちがターゲットにしている40~60代の女性人口が、福岡で一番密集している住宅街で営業しています。最寄り駅から徒歩3分で駐車場があり、店舗横にスーパー。そのうえ、周辺に競合美容室がない好立地です」

◆売上増加のきっかけは「店舗運営システム」の導入

 集客・売上増加のために行った施策はYouTubeで学び、わからないことがあれば、セミナーにも参加して学んだという浅富氏。

「できることはすべて網羅しようと、WEB広告、WEB集客サイトへの登録やGoogleビジネスプロフィールといったものから、店舗近くのスーパー敷地内でのチラシ配り、店舗周辺でのポスティングも行いました。あとは、店舗運営に役立つアプリも導入しています」

 特に手応えを感じた施策は「店舗運営システム」だという。

「店舗運営システムを導入したことで、顧客に合わせたセールスやアフターフォローが自動配信で行えるように効率化を実現。広告費用や管理システムに高い費用をかけなくてよくなったので、大幅なコスト削減もできました」

◆「生えグセ改善カット」で集客を拡大

 店舗の立地選びや集客に力を入れても、独自性がなければ美容室業界で生き残るのは難しい。そこで浅富氏が生み出したのが、「生えグセ改善カット」だった。

「私は18年、美容業界に携わっていますが、これまで生えグセが原因で、施術を断られてしまうお客さまをたくさんみてきました。お客さまの悩みに答えることができればうれしいですし、新たなプロダクトを生み出せるかもしれない。そしてたどり着いたのが『生えグセ改善カット』でした」

 特許を取得した髪の生えグセ・髪質を改善するカット技術は大当たり。新規客/固定客の平均リピート率は、美容室の平均が30%/60%程度の中で、エルプラスヘアーは「90%/95%」を誇るというから驚きだ。

「カットのほかに、トリートメントでダメージレスにくせ毛改善し、美髪を育てるトリートメント技術、白髪が伸びても気になりにくいカラー技術、アルカリ・ジアミンを除去したダメージレスカラー技術をセットで提供することで、料金は高くなりますが、お客さまには満足いただいています。美容室の平均単価6000円ですが、うちの平均客単価は1万2000円と2倍です」

<取材・文/黒田知道>

関連記事(外部サイト)

  • 記事にコメントを書いてみませんか?