「空気」を読んでも従わないとラクになる。中・高校生に伝えたい思い/鴻上尚史



 あまりに理解できないので、「どうして、あなた方はそんなことをしているのですか?」と1・2年生に問えば、「後輩ですから」と答え、「どうして、3・4年生の荷物を持つのですか?」と聞けば「先輩ですから」という答えに驚愕します。

 中学生なら、まだ、この答えを受け入れたかもしれません。

 が、20歳にもなろうとする大人が「後輩ですから」「先輩ですから」という言葉で、「奴隷」と「王様」に分かれるシステムが、ドイツ人女性にはどうしても理解できなかったのです。

 僕の著書を読んでくれている読者なら分かると思いますが、ここから日本社会における「世間」と「社会」、そして、「空気」の話が展開されるのですが、理不尽な先輩に苦しめられ、激しく傷ついているのは、日本中の中・高校生じゃないかと僕は思っています。

 もちろん、社会人の中にも、会社の理不尽な先輩に苦しめられている人は多いでしょうが、中・高校生のナイーブさというか傷つきやすさを、はやく、なんとかしてあげたいと勝手に僕は思っているのです。

◆睾丸の大きさと協調的なふるまい

 僕自身、中学校の時はソフトテニス部で、「ろくでもない先輩ほど、後輩にいばる」という現実に歯ぎしりしましたからね。

 よくできた先輩は、後輩に威張ることもムチャを言うこともなかったので、自然に尊敬できました。

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