殺人鬼が告白する“芸術としての殺人”とは…退席者続出の猟奇映画が公開

殺人鬼が告白する“芸術としての殺人”とは…退席者続出の猟奇映画が公開

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『ハウス・ジャック・ビルト』は芸術の反倫理性を肯定的に描き出した寓話である

 世界中で流行している大小無数のテロリズムやヘイトクライム(憎悪犯罪)、多種多様なポップカルチャーの題材となっている猟奇殺人の数々――それがいわゆる「芸術」と称されるジャンルの一部であるとしたら?

 6月14日から新宿バルト9ほかで公開される『ハウス・ジャック・ビルト』(監督:ラース・フォン・トリアー)は、そんな挑発的で反倫理的な問いを殺人鬼のパーソナリティを通じて描き出した怪作だ。カンヌ国際映画祭では、凄惨なシーンに耐えられず、途中退席する者が続出したという。

◆最大の見所は、殺人シーンよりも…

 1970年代の米ワシントン州、赤いワゴン車を走らせていたジャック(マット・ディロン)は、パンクした車の前で手を挙げる女性(ユマ・サーマン)と遭遇する。女性は、壊れたジャッキを見せながらジャックに助けを求め、近くの修理工場まで自分を乗せて行ってほしいとせがむ。

 だが、彼女は助手席に座るや否や、ジャックの風貌を腐して「あなた、殺人鬼かも。そんなふうに見えるわ」などと悪態を並べ立てる。修理を終えた後も傲慢な態度は変わらず、ジャックのイライラは遂に限界に達する。決定的だったのは、「撤回するわ。あなたを殺人鬼と呼んだこと」と言って謝罪するかと思いきや、「あなたには(殺人は)とても無理。

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