発達障害の人を救う、誠実で実践的な体験談/鴻上尚史

発達障害の人を救う、誠実で実践的な体験談/鴻上尚史

※写真はイメージです

― 連載「ドン・キホーテのピアス」<文/鴻上尚史> ―

◆発達障害の人を救う、誠実で実践的な一冊

『ほがらか人生相談』という連載を始めて、それがネットに転載されて注目を集め、毎月、150人ぐらいからいろんな相談が送られてきます。

 その中で、「私は発達障害です」という相談が、一定数、あります。

 もちろん、僕は専門家ではないので、医学的に何かを言えるわけではありません。

 なのに、僕に「自分は発達障害である」と思っている人が大勢、相談のメールを送ってくるということは、それぞれの人がかなり追い込まれて、苦しんでいるのだろうなあと思います。

 最近読んだ『発達障害グレーゾーン』(姫野桂/扶桑社新書)は、今まで、僕が読んできた「発達障害」に関する本の中で、じつに実践的で誠実な本でした。

 本書によれば、発達障害は「生まれつきの脳の特性で、できることとできないことの能力に差が生じ、日常生活や仕事に困難をきたす障害」です。

 大きく分けると「注意欠如・多動性障害(ADHD)」、「自閉スペクトラム症(ASD)」、「学習障害(LD)」の3つの種類があります。

 それぞれの主な症状は、「ADHD|不注意が多かったり、多動・衝動性が強い」「ASD|コミュニケーション方法が独特だったり、特定分野へのこだわりが強い」「LD|知的発達に遅れがないにもかかわらず、読み書きや計算が困難」です。

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