「夫だから/嫁だからこうすべき」という呪縛から解放され自由を得られた

当事者というフィルターを失うことで、逆に築いてきた心の距離が曖昧になっていったんです」

 果たして、理津子とわれわれ読者は“喪失”の先に何を見つけるのか。他方、プライベートでは昨年9月に同じく漫画家の浅野いにお氏と再婚。Yahoo!ニュースで取り上げられるなど、大きな注目を集めたが、「社会が形成してきた結婚生活の在り方と比べると、歪です」と言うように、夫婦生活は型破り。

「どこで誰と何をしていようが互いに干渉しない」「気が向いたら帰宅」など、奔放な価値観で生きる夫に当初は戸惑ったというが、どう“夫婦の信頼”を担保しているのか。

「少し前までの私は、『一緒の時間を増やす』『夫の出先に妻としてついていく』など、物理的に近づくことで夫婦としての絆を地固めしようとし、夫にも同じことを求めました。でもそれは『相手のために“自分を減らす”ことを強要し合うということ』で、いつも少し苦しかったんです」

 そこで一旦、“強要が生む不自由さ”を手放してみることに。

「『夫だから/嫁だからこうすべき』という呪縛から解放されると、『相手も自分と同じように、いつ誰と一緒にいてもいい』と、考え方がシフトして自由を得られたんです。そうなって初めて、ありのままの鳥飼茜として彼と向き合えるようになりました。逆説的ですが、お互いの自由を尊重した結果、信頼が担保されたんです。

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