香港の民主主義が死んだ日。警察の実弾発砲を正当化する工作も…

香港の民主主義が死んだ日。警察の実弾発砲を正当化する工作も…

香港の民主主義が死んだ日。警察の実弾発砲を正当化する工作も…の画像

◆緊急法発動で覆面禁止法を即日施行

「香港はもう終わった」

 10月4日、ツイッター上にはこんなコメントが溢れた。その日、香港政府が緊急状況規則条例(緊急法)を発動。立法手続きを踏まずに、デモ参加者が顔を隠すのを禁じる「覆面禁止法」を成立させたためだ。

 この緊急法ができたのは、英国植民地時代の100年近く前。最後に発動したのは中国・文化大革命の余波で左翼勢力の暴動が起きた1967年のことだったという。それから約50年の月日を経て、香港はかつてないほどの混乱期に突入した。

 ご存じのとおり、発端は中国への身柄引き渡しを可能にする逃亡犯条例の改正案だった。抗議者たちはこの@条例撤回に加えて、A警察の武力行使の責任を追及する独立調査委員会の設置、Bデモを「暴動」とする認識の撤回、C抗議者の罪を問わないこと、D普通選挙の実施〈当初は林鄭月娥(キャリーラム)・香港行政長官の辞職〉という五大要求の実現を求めて、6月に200万人デモを実施。それから3か月して同条例は正式に撤回されたが、香港の怒りが収まることはなかった。香港問題を専門に研究する倉田徹・立教大学教授が話す。

「抗議者は暴力行為も辞さない勇武派と平和的デモを行う穏健派とに分けられますが、彼らは共通の目標を持つ仲間として、お互いを『兄弟』や『手足』と呼び合い、決して互いを非難するようなことはありませんでした。

1 2 3 4 次へ

関連記事(外部サイト)