財務省が望むとおり増税した安倍内閣が「一強」である不幸/倉山満

では、バカや病気やスパイが、跋扈できるのはなぜか?

 原因は政治家にある。今の安倍首相は、財務省からしたら何も怖いところが無い、むしろ誰よりも好都合な傀儡だ。弱すぎる政権は、何もできない。一方で、強すぎる政権は、言うことを聞かない。だから、ほどほどの景気回復をさせつつ、強くなりすぎそうなら消費税を押し付ける。

 確かに政権発足当初の一年弱は、安倍首相も景気回復を軌道に乗せ、政権の勢いは絶好調だった。ところが、8%の消費増税を宣言した瞬間に大失速した。時の財務事務次官木下康司の大号令一下、政官財界に加え、マスコミや労働界までが増税の大合唱に加わり、その圧力に屈したのだ。それを見て、「安倍、与(くみ)しやすし」と見た勢力がいる。

◆財務省と本気で戦わないことで戦後最長政権となった安倍内閣

 たとえば、靖国神社参拝問題である。毎年、8月15日に首相が参拝するかどうかに内外の注目が集まり、国際的な政治問題と化していた。安倍内閣は当初、政治的に揉める8月15日を避け、春秋の例大祭に参拝することで決着を図ろうとしていた。政治問題化する以前の、靖国神社の伝統に戻ろうとしたのだ。

 ところが、安倍首相が8%増税に傾くと知るや、連立与党の山口那津男公明党代表は、例大祭に行かないよう牽制した。結果、その年の年末に参拝したが、それっきりだ。

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