「ミス慶應」が中止。イベントを巡って“ガラパゴス的なトラブル”/鈴木涼美

そして片方のイベントのファイナリストだった女性が、運営側の社会人男性によるセクハラを告発。それを週刊誌が報じ、運営がSNSで反論、当事者の女性が再反論するなどさらにトラブル続きで、結局このほど主催者が「ファイナリスト同士の諸事情」を理由に中止を発表したわけである。

 近年の有名大学ミスコンでは協賛金額などが学生イベントという規模を超え、企業のカネ儲けが露骨に見えるものになっていたという背景があるのは確かだが、一応大学祭を本番としたイベントにしてはあまりの混乱ぶりで、その混乱をさらに悪い意味で彩っているのが、SNSによる非難合戦である。セクハラを隠蔽した運営を非難する声があるかと思えば、台風の目となった候補者の女学生を炎上芸だと非難する声があがる。

 そんな、スムージーを通り越して闇鍋状態の器の中には、2団体が別々に主催という明らかに不穏な状況でもぜひとも歴代ミスに名を連ねたいと邁進する、SNS世代の女の子たちの、自分をなんとか偶像化して、人よりイイネと言われなければならないといった焦燥感を伴う自己顕示欲と、自己顕示欲の強い女しか目に入らないくせに、自己顕示欲を露骨に見せる女に強い嫌悪感を隠さない大衆の性癖が見え隠れする。

 そして、セクハラなんていうかつてはミスコンを目の敵にするような女性が使用しがちだった言葉が、ミスコン出場者たちの中ですら印籠になったりクリシェになったりして記号的に飛び交う、呑気なバブルおじさんたちが目を疑うような近年の女性の「息苦しさ」も。

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