いじめ動画が映す、閉鎖空間で無敵と化した教員の病理/鈴木涼美

いじめ動画が映す、閉鎖空間で無敵と化した教員の病理/鈴木涼美

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―[鈴木涼美の連載コラム「8cmヒールで踏みつけたい」]―

 神戸市立東須磨小学校の教員いじめ問題が世間を賑わせている。10月9日、仁王美貴校長らは会見を開き経緯を説明したが、給食のメニューからカレーをなくすなどのズレた対応に、疑問視する声も多い。

◆誰もさわれない彼らだけの国/鈴木涼美

 AV業界を批判的に検証する時、外部から「強要」と指摘される手法が内部的には「説得」という認識であったり、肖像権に対してより行為に対してギャラが支払われているという意識が強かったり、一般社会の常識と断絶した独自の文化が問題の要となる。

 こういうムラ化した場所は各所にあり、地方の首長が時代錯誤のセクハラをしたり、歌舞伎町ホストクラブの支払いシステムが謎だったりするのも、学校で酷い暴力行為がまかり通るのも似た現象だ。いずれも外部の視点を入れれば信じられない光景が広がっているのだが、AVやホストのような被差別地帯の自覚を持つ場所と、先生と敬われる場所では大きな違いがあり、後者のほうが事態は深刻なようだ。

 神戸市の公立小学校で、羽交い締めにされた若手男性教員の口にベテラン女性教員が激辛カレーを無理矢理流し込む動画が列島を怒りに震わせている。暴力行為のほかに、性行為の強要、被害教員の交際相手への嫌がらせなどもあったという報道もあり、他の教員や生徒が気づかないわけがない内容なのだが、その事実が尚更、学校という閉鎖空間の異常さを物語る。

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