対生物・化学兵器テロの最前線を担う自衛隊病院。医師が着用するマスクも足りていない



 その後、セファゾリンの代用薬も芋づる式に不足に陥っています。実は、抗菌薬の原料の大半が中国を始めとする外国でつくられています。厚労省が薬価を安くしてきたために我が国の製薬メーカーは利益にならない事業から撤退し、外国産に切り替えました。生命を守るキードラッグの製造の一端が海外に握られているのです。

 これはもはや、安全保障上の問題と言っていいのではないでしょうか。感染症関連の学会は国に対して抗菌薬の安定供給を求めていますが、状況は変わっていません。早晩、手術時の死亡率が跳ね上がるような事態も招きかねず、このまま問題を放置しておいていいのか? 不安になります。

◆医療における「安全保障」という視点

 もとはといえば、薬品メーカーに無理な値下げを国が押し付けたせいです。昭和の時代は「親方日の丸」という言葉があり、国や自治体など役所の仕事は定価で引き受けてもらえるため、安定した収入が見込め、その利益を元手に産業は大きくなり事業投資もできた時代がありました。

 しかし、今は国が事業者を買い叩き、少しでも安く仕事をさせ、モノを納品させようとする時代です。国が事業者をイジメるなんて最悪だと思いますが、財政支出を減らすべきだと考える有権者が多い以上、民意なので仕方ありません。

 外国からの安い輸入に頼れば企業利益が上がり、国の財政支出を安くあげることが可能です。

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