対生物・化学兵器テロの最前線を担う自衛隊病院。医師が着用するマスクも足りていない

でも、それでは国民の命が犠牲となります。安ければリスクは気にしないのでは国民の命が犠牲になります。安全保障の概念を「食料」だけでなく「エネルギー」「医療」「経済」「情報」などに拡大して考えなくてはなりません。

 自衛隊には防衛医大という医師を育てる大学があります。防衛医大を卒業した医者は任官して自衛官となり、医官と呼ばれます。つまり、「軍医」です。紛争やテロで起こるさまざまな問題に対処するため、日頃から十分な知識を身につけなければいけません。野戦体制で治療を受け持つ可能性もあり、銃創や爆創のような特殊な怪我を治療する知識や技術も必要です。

 我が国の安全保障を担う防衛省職員であり、医師であることを考えると我が国の医療の安全保障を考えるべきは防衛医大であり、この医官ではないかと思います。では、防衛省の持つ自衛隊病院や医官はその機能を持っているのでしょうか?

◆生物・化学兵器によるテロが起きたら?

 例えば、国際法で禁じられた「生物兵器」「化学兵器」を持つテロ組織や国家があります。日本で発生したオウム真理教の「地下鉄サリン事件」は世界に注目された化学兵器テロ事件でした。このとき、最初にサリンではないかと診断したのは医官でした。また、「炭疽菌」や「天然痘」などの生物兵器を保持していると言われる北朝鮮は我が国の近くにあります。

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