対生物・化学兵器テロの最前線を担う自衛隊病院。医師が着用するマスクも足りていない

一般の薬局にも売っている「N95マスク」は空気感染する麻疹(はしか)、水痘(水疱瘡)、結核をブロックするマスクです。

 一般の薬局でも販売されていますが、かなり高価です。私が手に入れたときは1000円近くしました。医官は生物兵器テロなど病原体が不明な場合はこの「N95マスク」を装着することが不可欠です。しかし、十分な数の備蓄はなく、医官が装着する訓練をしていないと聞きます。

◆隊員の病気予防だけにとどまらない機関に!

 自衛隊病院は我が国に蔓延している麻疹、水痘や海外派遣時の現地対応のワクチン接種はしっかりやっているようです。災害派遣時には泥水のなかで救助活動をするため、破傷風のワクチンも10年に一度接種を行っているようです。基本的な隊員の予防対策だけではもったいないと思います。防衛医大・自衛隊病院は生物・化学テロ対策も含めた大きな医療の安全保障を最前線で引っ張っていく機関となるべきです。

 しかし、防衛医大、自衛隊病院は営利目的の機関ではないため、予算がカツカツでは何もできません。せっかく優秀な医官を集めていてもこれでは宝の持ち腐れではないでしょうか? さまざまな病気や医療現場を襲う脅威から日本人の健康を守る機関に変貌を遂げていただきたいと思います。

―[自衛隊ができない100のこと/小笠原理恵]―

【小笠原理恵】
国防ジャーナリスト。

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