『アラサーちゃん』が、ついに完結。作家・社会学者の鈴木涼美氏が語る魅力とは?

『アラサーちゃん』が、ついに完結。作家・社会学者の鈴木涼美氏が語る魅力とは?

『アラサーちゃん 無修正』より

2011年にスタートし、切れ味鋭い4コマで多くの読者を虜にしてきた『アラサーちゃん』が、ついに完結。『アラサーちゃん 無修正7』(最終巻)が発売された。作家・社会学者の鈴木涼美氏が語る『アラサーちゃん』の魅力とは?

◆アラサーで、オンナで、可愛くて、生きてる/鈴木涼美

 アラサーちゃんが結婚した時、エンド・オブ・ジ・エラだと騒いだ往生際の悪い女の子たちは気付けばもう30代も半ばに差し掛かり、自分の若さも楽しい時代もずっとこのままであればいいのに、と思い続けるには幾らか大人になり過ぎていた。

 どんなに楽しんでいたってまだ終わりたくないと足掻いたって、時代は変わっていくし自分も歳をとっていく。4コマ漫画でありながら、そういう残酷さをしっかり含んでいた『アラサーちゃん』。

 連載が始まって実に8年、思えばいろいろなことが起こった。震災後の復興は進み、政権は自民党一色になり、『笑っていいとも!』が終わり、芸能人や政治家が不倫で次々に謝罪し、世界的なセクハラ反対運動が起き、スポーツ界はパワハラで揺れ、消費税は二段階で上がった。

 その8年を生身で生きてきた私たち自身だって変わった。28歳は36歳になり、誰かが結婚し誰かが離婚し、たくさんの子供が生まれて、26歳の時と同じような男にまた振られて、生理の血が減って、信じていた価値がガラガラ崩れて、予定していた幸福は来なくて、でも予想外の至福とか味わっちゃって、前よりずっと必死になって、前ほどは体力がなくて、慎重になったり大胆になったりしながら、まだ今も生身で生きている。

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