ドキュメンタリーの名手・東海テレビが“テレビ局の闇”に自ら切り込んだ理由

ドキュメンタリーの名手・東海テレビが“テレビ局の闇”に自ら切り込んだ理由

『さよならテレビ』は、1月11日より渋谷・ユーロスペースでも拡大上映される/?東海テレビ放送

’18年9月にローカル放送され、テレビ業界に大きな衝撃をもたらしたドキュメンタリー番組『さよならテレビ』が、新たなシーンを追加して劇場版として公開中だ。

 製作は、戸塚ヨットスクール事件で稀代の悪役となった戸塚宏校長の今に密着した『平成ジレンマ』(’10年)、暴力団の暮らしを取材して“ヤクザの人権”という問題を浮き彫りにした『ヤクザと憲法』(’15年)など、物議を醸すドキュメンタリー番組を作り続けている東海テレビ。しかも今作のターゲットは“自分たち”、つまりテレビ局である。

 局員たちの業務を追うことで、番組制作の実態と裏側、テレビ局が抱える“都合の悪い真実”が浮かび上がる衝撃的な内容。同業者の間では録画DVDが“密造酒のように”出回ったという代物だ。冒頭では、社内でカメラを回すことに抵抗する局員による「やめろっつってんだろ!」という怒号まで収められている。実に険悪、不穏だ。局内に反発がありながらも、彼らはなぜ撮影を敢行したのか。

 これまでの東海テレビドキュメンタリーのほとんどでプロデューサーを務める、阿武野勝彦氏に話を聞いた。

◆始まりはたった5行の企画書から

「局内には、この内容をぜひ取材・放送したいと言うスタッフだけでなく、不快に思う者がいたのも事実です。でも、今までの題材で“取材する/しない”の議論を局内でしていたかと言ったら、してこなかった。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 次へ

関連記事(外部サイト)