黙って食べる給食「もぐもぐタイム」に強烈な違和感/鴻上尚史

黙って食べる給食「もぐもぐタイム」に強烈な違和感/鴻上尚史

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―[連載「ドン・キホーテのピアス」<文/鴻上尚史>]―

◆全国の小学校に広がる給食の「もぐもぐタイム」

「もぐもぐタイム」というものが、最近の小学校の給食の時間に増えているというニュースに接しました。

 もともとは、2018年の平昌五輪の時のカーリング女子チームが、ハーフタイムに食事を取る時間を、こう呼びました。なんだか、可愛い表現でした。

 でも、学校給食では、「給食の時間、黙って食べましょう」という時間を「もぐもぐタイム」と呼んでいます。

 広島の小学校から始まったとニュースでは解説していました。

「黙って」というのは、文字通り、一言もしゃべらずに、ということです。ここらへん、日本人は几帳面ですから、一度、決めたら誰もしゃべりません。

 ニュースでは、取材した学校のVTRが流れていました。

 全員がシーンとした中で、黙々と食事をしていました。正直に言って、咀嚼音と食器の触れ合う音だけが響く教室の風景は不気味でした。

 これが大人なら、禅寺の禅僧みたいとも思うのですが、子供達の沈黙の風景は強烈な違和感でした。

 誰かが、ちょっと話そうとすると、先生が「○○君。もぐもぐタイムですよ」と注意していました。

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