痴漢や万引きをやめられない人の心理とは?依存症治療のプロ・斉藤章佳氏に聞く

痴漢や万引きをやめられない人の心理とは?依存症治療のプロ・斉藤章佳氏に聞く

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精神保健福祉士・社会福祉士。その資格名は聞いたことがあっても、具体的にどんな仕事なのか知らない人は多いだろう。アジア最大規模といわれる依存症専門外来の榎本クリニックに約20年間勤務する斉藤章佳氏は、アルコール依存症を中心にさまざまな依存症治療に携わっている。

 近年は『男が痴漢になる理由』『万引き依存症』(共にイースト・プレス)、『「小児性愛」という病』(ブックマン社)、『しくじらない飲み方』(集英社)などの専門書を立て続けに出版。アルコールだけでなく、痴漢や万引も治療が必要な依存症であることを啓蒙し続ける依存症問題のインフルエンサーとして、現在注目すべき人物の一人だ。人はなぜ依存症になるのか。最前線の現場を見つめる専門家に聞いた。

◆依存症治療プロが明かす[やめたくてもやめられない]の真実

――そもそも、人が何らかの依存症になるきっかけはなんですか?

斉藤:依存症は、ストレスへの不健康な対処行動が習慣化し、やがて繰り返すうちにそれが本人の意志の力ではコントロールできなくなる病です。養育環境や、災害などのトラウマ体験、遺伝的要因などさまざまな問題が複雑に関係しています。

 人は、心理的苦痛を回避できるようなモノや行為によって脳からドーパミンが過剰に分泌される体験をすると、苦痛が一時的に緩和される一方で、やがて報酬系に誤作動が生じ、それがやめられなくなっていくのです(負の強化)。

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