「貧困は自己責任」だと思っていませんか?/吉川ばんび

「貧困は自己責任」だと思っていませんか?/吉川ばんび

「貧困は自己責任」だと思っていませんか?/吉川ばんびの画像

トランクルームに住む「ワーキングプア」、劣悪環境で暮らす「ネットカフェ難民」、母の遺骨と暮らす「車中泊者」……etc. 貧困問題に鋭く切り込んだ、週刊SPA!発の書籍『年収100万円で生きる―格差都市・東京の肉声―』(著者・吉川ばんび&週刊SPA!取材班)。このコロナ禍で書店の多くが営業自粛する中で、発売から約10日ほどで重版が決定! 果たして、貧困は自己責任なのか? メディアの役割とは何か? SNSでも中心に話題を集めている本書の中から第一章「見えざる貧困 ワーキングプア」に対する、吉川ばんび氏のコラムを掲載する。

◆「段階的支援」の乏しさが見えざる貧困を生む

文・吉川ばんび

「変に頑張っちゃうより、いっそホームレスまで落ちちゃったほうが楽なんですよ」

 地方の、とある街。元ホームレスの男性から聞いたこの言葉が、強く印象に残っている。男性は以前、家賃が払えなくなって住居を追い出されたのをきっかけに、数年間は日雇いの仕事をしながらネットカフェを転々とする生活を送っていたという。しかし、持病が悪化して思うように働けなくなったことから、路上で生活せざるを得なくなった。

 賃貸物件に住んでいたころに、生活保護受給の相談に市役所を訪れたこともあった。しかし職員は「親族に援助してもらってください」の一点張りで、結局、受給には至らなかった。

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