<純烈物語>10年目の“ロクテンニーサン” 初めての無観客ライブで目撃した物語<第52回>



 先が見えぬ中で酒井一圭は、それでもファンに元気を与えるべく頭を働かせた。今、純烈としてやれることを考えれば、無観客ライブという形は必然だった。

 どのジャンルもオーディエンス不在のコンテンツで、どこまで可能性を見いだせるか模索している。無観客だからできないことよりも、何がやれるかを考えて少しでもファンを楽しませる。コロナによって、エンターテイナーたちはむしろ前向きになれた。

「6月23日がデビュー日で、丸10年ということでやってみようとなったんだけどメチャメチャ怖いですよ。これまで純烈って、ショッピングモールのおばちゃんを振り向かせる、健康センターのお爺ちゃんお婆ちゃんにこっちを向いてもらうという作業を続けてきて、アウェイの方が燃えるっていうのがあるんだけど、今回は誰もいないわけだから。自分自身、無観客ライブというものがどうなるのか想像できない。

 新しいものだから、これも燃えるんだけどまとまった曲数を演るのはコロナになって初めてで、果たして体力が持つのか。3月に歌番組で1曲歌っただけなのに、全員肩で息をしてて笑っちゃった」

 そう語ったあと、酒井は「無観客ライブのテーマは、ケガをしないこと」と言い、部活じゃないんだからと笑った。元メンバーの一人……いや、一匹であるアンドレザ・ジャイアントパンダが所属する社会人プロレス団体・新根室プロレスのスローガンである「無理しない、ケガしない、明日も仕事」は、純烈の現状にも当てはまるようだ。

関連記事(外部サイト)