<純烈物語>無観客ライブでも熱い。見えないファンと握手して回った純烈の想い<第53回>

<純烈物語>無観客ライブでも熱い。見えないファンと握手して回った純烈の想い<第53回>

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―[ノンフィクション連載「白と黒とハッピー 〜純烈物語」]―

◆<第53回>エアを超えた表現力による無観客ラウンド。そこに在ったのは手を握り返す歓喜の力

 新型コロナウイルスの影響により、それまで当たり前のようにあったスポーツやエンターテインメントといった大衆娯楽が、目の前から消えた。プロ野球、大相撲、Jリーグに映画、演劇、音楽のコンサート……そうした中で、クラスターを避けるべくおこなわれたのが無観客によるライブだった。

 ジャンルとして止まってはいられないから、たとえイベント収益が見込めずともやれることをやる。それらのコンテンツを発信し、今は会えなくとも収束後に向けて動いている姿勢を提示する。

 プロレス界では4月7日に緊急事態宣言が発令されるよりも前となる3月下旬から、コロナ対策を施した上で無観客試合がおこなわれてきた。最初に現場で取材した時はオーディエンスのリアクションがない空間、普段なら歓声にかき消されて聞こえないマットのきしむ音、より痛みを感じる技の衝撃音などに戸惑いと発見があったものだった。

 見る側がそうなのだから、プロレスラーがより違和感を覚えたのは容易に想像できる。そうした中で、ほとんどの選手たちが入場時や試合中に無人の客席へ向かい、普段通りにアピールしていた。

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