<純烈物語>無観客ライブでも熱い。見えないファンと握手して回った純烈の想い<第53回>

一瞬でも気を抜いたらそのスキを突かれる状態のまま、30分以上もその場に立ち続けるのがいかに難しいかやってみればわかる。

 このように、無観客だから生み出せることもある。試合は57分54秒にも及び、コロナ禍の中でプロレスというジャンルが見せた一つの形として、語り草となっている。

◆純烈ライブへようこそ!

「お久しぶりです。純烈ライブへようこそ!」

 オープニング曲を終えると、後上翔太が笑顔で叫んだ。すでに歌っている最中から小田井涼平は無人の客席へ手を振っている。

「お客さんがいるというイメージでやらないと成立しませんから」

 MCに入り、いつも通りの会話が繰り広げられる中で小田井が言う。オーディエンス不在の中で歌うこと自体はこれまでの番組出演で経験しているし、そもそもレコーディング等ではそれが普通だ。

 だから、観客がいる“設定”で物事を進めることが非日常となる。2曲目の『プロポーズ』が終わると、1年前のNHKホール単独公演で一度は純烈若返りのために解雇された経験を持つ2人(バックナンバー第7回参照)が泣きを入れた。

「フルコース、シンドいわー」(酒井)
「もう帰りたいです。ヒザがガクッ」(小田井)

 特に小田井は大粒の汗を流し、すでに顔がビショビショ状態。

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