<純烈物語>無観客ライブでも熱い。見えないファンと握手して回った純烈の想い<第53回>

ハッピーがちゃんとハッピーとして成立するためのやるべきことをやっていた。

「たとえ収束して有観客のイベントが増えてきても、純烈は最後に再開ってなるんだと思うんです。やはりウチのお客さんは年齢層が高いから、コロナに関してはほか以上に注意を払わなければならない。

 じゃあ人数を減らしてソーシャルディスタンスを取って、ラウンドもやらないようにしてやれば……っていう声があるのもわかっているけど、俺自身はやるとしたらワクチンとかができて密になっても安心という状況でやりたい。だってさ、俺らはおばちゃんたちとふれあうことでここまで来られたわけだし、ラウンドをやらなかったら熱量だって違ってくる。純烈のライブを、純烈のライブの形でやれる日が来るまでは我慢だよね」

 酒井からそんな言葉を聞いていたので、消毒液さえもネタとして利用する姿の裏側にあるであろう気持ちを察した。「本当だったら、こんなものに頼らなくとも楽しめるのが一番いいんだよ」という心の声を疲労がにじむ笑顔で隠し、試練と実験が同居したラウンドを終えたのだった。

撮影/ヤナガワゴーッ!

―[ノンフィクション連載「白と黒とハッピー 〜純烈物語」]―

【鈴木健.txt】
(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。

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