政治家たちが医療現場のケアを怠り続ければ東京は崩壊する/鈴木涼美

政治家たちが医療現場のケアを怠り続ければ東京は崩壊する/鈴木涼美

政治家たちが医療現場のケアを怠り続ければ東京は崩壊する/鈴木涼美の画像

―[鈴木涼美の連載コラム「8cmヒールで踏みつけたい」]―

国からの要請で新型コロナ患者を受け入れていた東京女子医大病院。文春オンラインの報道によると、コロナ病棟に多くの人員が割かれ現場の看護師に負担がかかるなか、減給や夏季ボーナスの全額カットが発表され、約2000人の看護師のうち400人が退職を希望する事態となった

◆墓前のディストピア/鈴木涼美

 フリッツ・ラング監督の映画『メトロポリス』は、ディストピアとなった未来都市を描くが、製作された1926年の100年後という設定なので、あとほんの6年ほどで世界は同作の描いた時代に突入することになる。

 高層ビルとして描かれる都市では、上層階に住むほんの一握りの知識階級と、地下の過酷な現場で働く労働者階級とに完全に二極化しており、上層に生まれた人間は地下の抑圧された環境など見たこともない。地下の労働者たちにストライキの気運をもたらしたマリアは、「脳(知識階級の資本家)と手(労働者)の媒介者は心でなくてはならない」と「心」となる仲介者の必要性を説く。

 歌舞伎町や二丁目飲み屋街、ゴールデン街などを有し、感染者の増加が報道される東京都新宿区。その地で医療に従事する東京女子医大病院で、400人もの看護師らが退職希望の声をあげたというニュースが話題だ。

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