表面的には超平等なベーシックインカムは、日本にこそ必要なクスリだ/鈴木涼美

表面的には超平等なベーシックインカムは、日本にこそ必要なクスリだ/鈴木涼美

写真/Adobe Stock

―[鈴木涼美の連載コラム「8cmヒールで踏みつけたい」]―

 ドイツ経済研究所は、希望者から抽選で選んだ120人のドイツ人に3年間毎月1200ユーロ(約15万円)を支給し、ベーシックインカムの実証実験を開始すると発表。UBI(無条件ベーシックインカム)は、政府が国民や居住者に対して最低限の収入を保障する政策で、コロナ禍を機に、導入に向けた議論が世界的に活発になっている。

◆僕らはアリギリスだね/鈴木涼美

 安野モヨコ『働きマン』に、「会議で話されている事の7割が無意味だ」というセリフがあって、企業に勤めていた頃はしょっちゅうそれを反芻していた。よく働きアリの分担に喩えられるが、会社には3割のやる気と能力のある人がいて、7割はよく言えば会社っぽく見せるための賑やかし役、悪く言えば役立たずがいる。必ずしも悪くない。

 平時にそれを抱えられるのは会社の余裕となるし、無駄話をしているおじさんたちは社会の縮図っぽくて楽しい。ただし、役立たずなだけでなく、いることで他者のモチベーションを下げる有害な人もいて、餓死しろとは言わないから家でゆっくりして欲しいと、結構な人数が思っている。

 コロナ禍で世界的な経済危機が懸念される中、ドイツでベーシックインカムの実証実験が始まる(21年春に給付開始)。

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