プロ未勝利、28歳で引退した甲子園春夏連覇のエース・島袋洋奨のいま
2021年01月13日 15時54分 SPA!
―[職業 元プロ野球選手]―
2010年甲子園春夏連覇した興南のエース島袋洋奨は中央大へ進学したが、3年秋からイップスにかかったおかげで、甲子園で無双していた姿は蜃気楼のように萎んでいった。それでも2014年のドラフト会議では、ソフトバンクから5位指名され、涙を溜めながら会見に臨んだ島袋が印象的だった。
◆イップスで苦しみながらもプロ入り
大学を経由してプロに進んだ甲子園優勝投手は、全部で13人いる。そのうち、夏の甲子園優勝投手はたったの5人のみ。ただ、小川淳司(中央-河合楽器-ヤクルト、現ヤクルトGM)と西田真二(法政-広島、現セガサミー監督)は大学で野手転向、石田文樹(故人、早稲田中退-日本石油-大洋)は大学を中退し社会人野球経由のため、夏の甲子園優勝投手が大学を卒業してピッチャーとしてプロ入りしたのは、後にも先にも斎藤佑樹と島袋洋奨の2人だけなのである。だが、島袋は大卒であるにもかかわらず球団からは即戦力として期待されず、プロ生活は当たり前かのように三軍スタートで始まった。
「今振り返ると、入団が決まって心機一転やってやるという思いはありましたが、不安を完全にぬぐい去ることはなかったんです。プロになってからもコントロールの悪さは変わらなかったですしね。三軍からのスタートでした。入ってみると、プロになって心機一転という気持ちにはなれませんでしたね。