「結局のところ僕は書くことで人生切り拓いてきた」山本周五郎賞作家・早見和真の素顔

「結局のところ僕は書くことで人生切り拓いてきた」山本周五郎賞作家・早見和真の素顔

仕事部屋で紫煙をくゆらる早見氏

『ザ・ロイヤルファミリー』(2019年、新潮社)で第33回山本周五郎賞を受賞した作家・早見和真氏のインタビュー企画。今回は後編をお送りする。今回は、2020年というオリンピックイヤーであるはずだった激動の1年間と、2つの新作について意気込みを語ってもらった。

◆愛媛から東京、そしてコロナ

――2020年は本当にいろんなことがありました。オリンピックの延期に甲子園の中止もあり、スポーツ界にとっても激動の年でしたが、この1年を作家・早見和真は愛媛からどう見ましたか。

「ここ数年ずっと、東京五輪以降、共有できる思いのない日本が始まることを危惧していたんですよね。『東京オリンピックを成功させるぞ』のその先、そこからどうやって新しい物語をみんなで生み出していくか、みんなで目指せるものを作っていくのか、というのが東京五輪後の日本のテーマになるということは、僕自身ずっと言い続けてきました。しかし2020年は、自分の想像をはるかに超えたかたちで違う年になってしまった」

――将来に思いを馳せる余裕もないというか。

「愛媛から東京を見てやろうと思ったのに、東京にいてもあまり変わらなかったなっていうぐらい、今や日本という枠組みを超えて、世界全体で『目の前のコロナとどう向き合うか』っていう思いを一つにしちゃってる。

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