ジョコビッチが偉業達成。全コート対応の要塞型が不可能を可能にした

ジョコビッチが偉業達成。全コート対応の要塞型が不可能を可能にした

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「まるで、ローラーコースターのような道のりだった」

 センターコートの表彰台でマイクに向かい、彼が言うと、満員の客席から共感の熱がこもる笑い声が一斉にあふれた。スタジアムの向こうには、地元の人々が愛するアミューズメントパーク『キングスアイランド』の、世界最古ともいわれる木造ローラーコースターの威容がそびえる。巨大なレールを登っては急降下するその姿に、彼は自らの歩みを重ねていた。


ノバク・ジョコビッチは珍しくコートで感情を爆発させた

 シンシナティ・マスターズの優勝――。それはグランドスラム4大会すべてを制し、「ATPマスターズ1000」では通算30のタイトルを手にしていたノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、6度目の挑戦で初めて掴んだ同大会のタイトルである。そして、「マスターズ9大会すべてを制した史上初の選手」という輝かしい肩書を、彼に与えるものであった。

 ジョコビッチが「ローラーコースター」と形容したのは、ひとつは今大会での勝ち上がりだ。初戦は終盤に相手の反撃を許し、2回戦では体調不良のなか、苦しい戦いを強いられた。

 安定感を欠いたプレーの最大の原因は、改善途中のサーブにあるという。今年2月にひじを手術して以来、ジョコビッチは患部への負荷を減らすべく、サーブの打ち方の変革に取り組んできた。

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