選抜方法の変更に手応え。瀬古利彦が語る「世界との戦いに必要なこと」

しかも出したのが大迫選手。設楽選手にしてみれば大迫選手と同じ歳で、大学時代ライバルだった訳ですから思うところはあったでしょう。
 さらに東京マラソンでは井上選手が外国選手たちの形成する先頭集団のなかで走っていた。井上選手も6分台を狙っている。設楽選手はひとつ年下の井上選手に、昨年の東京で後塵を拝したんだから負けるわけにはいかない」
 ライバルの必要性は瀬古リーダーが身に沁みてよく知っている。宗兄弟や中山竹通、ライバルと競い合う気持ちが自らの可能性を高め、世界トップと言われるまで上り詰めた。
「宗さんたちには本当に感謝しています。宗さんが上を目指すから私はもっと上を目指した。そこで日本のマラソンに火がついて、私や宗さんを追い抜いてやろうともっと上を目指したのが中山くん、谷口くん、森下くんといった選手たち。そうやって日本の黄金期ができた。その関係性を大迫選手や設楽選手が築いてほしい。世代全体が押し上がるためにもライバルは絶対に必要です」
 MGCによる選抜方法が、早い時期からライバル心を刺激してオリンピックの3年前からお互いを高めていく。日本新記録はすでに出た。次は世界で戦える強さだ。
「極端に言うと、今まではオリンピック前年だけマラソンを頑張ればよかったわけです。前年まではトラックで世界選手権を目指して、スピードをつけてからマラソンで勝負みたいな。でも、そんなに世界のマラソンは甘くない。勝負するのに3年はかかる。17年、18年、19年と継続することでオリンピックのチャンスが出てくるこのシステムを始めて、本当によかったと思います。今やっていることがオリンピックにつながる。マラソンに早くから向き合えるし、ライバルと競って成長できる。大成功です」

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