オーバルマシンの現状に問題。佐藤琢磨もオーバーテイクの数を嘆く

そして、スピードでいくことにしたパワーが勝利を収めた。作戦の違いによるバトルがレースを興味深いものにしていたと感じた反面、燃費レースではやはり本当のエキサイトメントは得られないとの印象を再認識した。
「新エアロで戦うレースは楽しい」とパワーは強調していたが、それはトップから逃げ切った今年のインディ500と同様、オーバーテイクがほとんどないレースでトップを独走した者だけが感じることだろう。イエローの出るタイミングなどで後方集団に飲み込まれた場合、そこから這い上がるのは非常に難しい。

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、「オーバーテイクはゼロだったでしょう。ダウンフォースが足りなすぎる」と話した。燃費セーブが必要ない作戦にした者は、燃費セーブをしている者を楽々とパスできる。そういうオーバーテイクは頻繁に見られたが、それは本当にスリリングなクォリティの高いパスではない。

 新エアロキットはダウンフォースを減らすことでレースを面白くしてきた。しかし、それはロードコースとストリートコースに限ってのことだ。オーバルでのダウンフォースの”少なすぎ”はレースを単調にしている。アイオワのように急なバンクがつけられたコースでないと、オーバーテイクがなかなか起こらないためだ。

 ダウンフォースがありすぎるのも、マシン同士が接近し過ぎて危険だが、今のままでは燃費レースにならないとオーバーテイクがない。そして、燃費がポイントとなるとレースはエキサイティングでなくなる。インディカーはマシンレギュレーションをさらに改良し、このジレンマから脱却する必要があるだろう。

 救いは今シーズンの残り2戦が常設ロードコースであること。ポートランドとソノマでのレースでは、抜きつ抜かれつのバトルが繰り広げられることを期待したい。

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