J1昇格へ。東京Vのスペイン人監督がこだわる「ボールの出口」の作り方

とりわけ、左サイドに守備の乱れを見つける。そして5分だった。センターバックの井林章が蹴ったロングボールは左サイドの裏を狙い、この処理に戸惑った横浜の選手が自軍ゴールに蹴り込んでしまった。オウンゴールだったとはいえ、ヴェルディの攻勢がもたらしたものと言えるだろう。
 その後も、前半はヴェルディがペースを握っている。軽快なパス回しでディフェンスを幻惑。ドウグラス・ヴィエイラが決定機をつかみ、ニアサイドへの際どいシュートを放っている。選手の立ち位置がよく、コンビネーションで上回った。

「Salida de balon」

 ロティーナは象徴的に、このスペイン語フレーズを使う。「ボールの出口」が直訳で、ビルドアップと訳されることが多い。しかし、むしろ直訳のほうが意図は伝わるだろうか。ボールの出口を作るには、それぞれの選手が正しい立ち位置を取って、スペースをうまく使う必要がある。適切な距離感が生まれることにより、それは攻撃だけでなく、守備でのポジショニングを修正し、改善することにつながる。

 いわゆる「ポジション的優位」がピッチに生まれるのだ。

 ロティーナ・ヴェルディはそれをトレーニングし続けてきた。ポジションという準備動作で勝つことにより、先手をとる。その成果は出ている。

 ところが、後半は様相が一変した。

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