イニエスタ、トーレス、久保建英に見る、スペイン流「崩しの極意」



 守る側としては、バックラインの前でマークを外された状態でボールを持たれた場合、後手に回らざるを得ない。なぜならラストパス、シュート、ワンツーなど、いくつもの選択肢を与え、焦って食いつけば、完全に裏を取られるからだ。それは待ち構える部隊が、柵も土塁も堀もなく、騎馬隊に駆け込まれるに近い。相手に殺到される感覚で、とても守りきれない。
 そこで、ボランチもしくはアンカーが、バックラインのスペースを埋め、挟み込むシステムも生まれた。

 ディエゴ・シメオネ監督が率いるアトレティコ・マドリードは”鉄壁”の守備力を誇るが、DFラインとMFラインが緊密な距離を取り、間に入った敵を殲滅する。そもそも容易にそこへ敵を入らせない。危険地帯を潰すことで、世界トップの堅守を誇っている。

 また、昨季欧州王者のレアル・マドリードも、カゼミーロをフォアリベロのように置いて、センターバックの前付近を”消す”ことを守備の軸にしていた。

 しかし一方、アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)のような名手は、その守備陣形を”魔法”のように突き破れる。

 たとえば、湘南ベルマーレ戦ではこんなシーンがあった。左サイドで神戸の郷家友太がボールを持ったとき、しっかりマークが付かれていた。

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