錦織圭が恥ずかしがる自らの演技力。千両役者の本領発揮で難敵を攻略

錦織圭が恥ずかしがる自らの演技力。千両役者の本領発揮で難敵を攻略

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コート上の錦織圭は、なかなかの役者である。

 相手にチャンスボールを与えたとき、あきらめたかのようにうつむき、トボトボと歩いたかと思いきや、突如として走り出し、油断した相手の甘いボールを打ち返すことがある。


巧者ペールを下してベスト8進出を決めた錦織圭

 この試合の第1セットの、第4ゲームでもそうだった。相手のドロップショットに全力で駆け込み、ネット際ギリギリで打ち返すも、そこにはすでに相手のブノワ・ペール(フランス)が待ち構えている。

「あ、やられた……」

 さも、そんな声が聞こえそうな身体でうなだれるも、次の瞬間にはオープンコートへと素早く飛び込み、ペールが放ったショットをボレーで鮮やかに打ち返した。試合の趨勢(すうせい)を大きく決める、早々に奪ったこの日ふたつ目のブレークゲーム。

「あんまり言いたくはないんですけどね……」

 試合後に、件の場面について問われた錦織は、いたずらを咎(とが)められた子どものように、決まりの悪そうな笑みを浮かべて白状した。

「演技です」――と。

 演技力は、錦織のテニスプレーヤーとして欠かせぬ資質のひとつだと言えるかもしれない。

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