錦織圭、2年ぶりのファイナルズ。39位から追い上げた力強さに期待大

そこでの練習も、最初は軽めのラケットで、柔らかいボールを打つことから始めた。
 11月下旬、錦織はチャリティイベントのために帰国し、久々にファンの前に姿を現した。だが、この時はまだ、ボールを打つ姿を披露することはなかった。復帰時期を問う声には、「1月のブリスベンを目指していますが、2月か3月になるかもしれません」と、まだ目処が立っていないことも明かす。
 ただ、錦織が、確信を持って口にした言葉があった。

 ひとつは、復帰を決める基準は、「すごくシンプル。自分のなかで、治ったと思えたら出るだけ」ということ。
 そしてもうひとつが、「復帰した最初の数週間はとくに大変だと思いますが、それもたぶん、苦しみながら楽しんでできると思う」という、待ち受ける葛藤をも受け止める諦念(ていねん)に似た覚悟。
 1年前のこの時期……彼の手首には依然、痛みと不安が絡まっていたが、それでも、心の針と視線はまっすぐ前を向いていた。
「復帰過程とは、もう言えない」
 そう錦織が断言したのは、5月のローマ・マスターズのときだった。4月下旬のモンテカルロ・マスターズで、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)やマリン・チリッチ(クロアチア)らを破って決勝進出。復帰以降、失われていたフォアハンドで鋭くボールを捕らえる感覚が、突如としてクレーコートの大会で甦った。

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