錦織圭、2年ぶりのファイナルズ。39位から追い上げた力強さに期待大


「毎試合、コートに向かうのが楽しみ」と言ったのも、ローマでのことである。1月下旬にツアー下部大会であるATPチャレンジャー1回戦で、238位選手への敗戦から始まった復帰の旅。それは、シーズンの折り返し地点に相当する全仏オープン終了時点で、3人のトップ5選手を破るまでに至っていた。
 今季の目標は、トップ10に戻ること。そして、ロンドン開催のATPツアーファイナルズに出場すること――。そう公言したのも、この時期のことである。
 全米オープンで復帰後初となるグランドスラム・ベスト4へと躍進した錦織は、多くの上位選手が疲労の色を濃くする全米後も、アジアの長い残暑と欧州の早い冬の気配のなかを駆け抜けた。9月の楽天ジャパンオープンでは、準々決勝で対戦した若手の旗手のステファノ・チチパス(ギリシャ)が、コート上で躍動する錦織のスピードに舌を巻く。
「彼のスピードに驚かされた。コートカバーの広さは、ラファエル・ナダル(スペイン)に匹敵すると思う」

 敗者が素直に称賛すれば、錦織も「取れなさそうだと思うボールも取れているので、動きはいいですね」と認め、その理由を次のように説明した。
「ケガしていた時期にたくさんトレーニングをしたし、トレーニング方法も少し変えていろんなことに取り組んだので、身体が強くなったのは感じます」
 およそ1年前に、新規性を求めて黙々と重ねてきたトレーニングが今、実を結び、ラストスパートを可能にした。

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