宇野昌磨にとって、過去2回より今年の全日本制覇が意義深い理由

言ってみればプライドですかね。僕は歩けるなら試合に出たいという気持ちなので、今回も無理してでも試合に出ようと思っていました」
 そんな気持ちを宇野はショートプログラム(SP)でも見せていた。「右足首への負担が大きい最初の4回転フリップを回避して3回転サルコウに変えたらどうか」とアドバイスされたが、結局は「逃げになるから」と4回転フリップを跳んだ。
「回転不足で転ぶのが一番足に負担がかかるかなと思っていたので、回り切るしかないと思っていた。本当は3回転サルコウにしなさいと言われていたけど、6分間練習の時に先生に『ごめんなさい』と言って4回転フリップに切り替えてガツンといきました。
 無理をすることはよくないけれど、ショートが終わった時はこれまでにない達成感を得たというか、五輪以上にうれしいショートだったなと思った。無理したことで自分が何を得ることができたかわからないですけど、まったく後悔していないし、むしろうれしかった」
 その心情の奥には、2018年3月の世界選手権(ミラノ)の経験があったのかもしれない。
 この大会で宇野は、スケート靴を替えたことで右足甲に痛みが出て、病院で診察を受けるほどだった。もともとは最初に4回転フリップを跳んで、後半に4回転トーループ+3回転トーループの構成だったが、痛めた後に最初の4回転をトーループにして、連続ジャンプは3回転サルコウ+3回転トーループに難度を落として臨んだ。

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