自主性の尊重と組織改革で箱根駅伝V。東海大の黄金時代が幕を開けた

ある程度の走りは想定できるので、そこで一気に勢いをつけるためにも7区の走りが非常に重要だった。
 その7区だが、青学大が昨年の箱根で区間賞を獲得した林奎介(4年)を置いてきたこともあり、スピードランナーの阪口が抜擢された。そしてこの狙いもピタリとハマった。
 阪口は区間2位の走りで東洋大との差を4秒に詰め、8区の小松陽平(3年)につないだ。そして小松が区間新記録の力走で一気に首位に立つと、9区の湊谷春紀(4年)、10区の郡司も危なげない走りでトップを守りきり、ついに悲願の総合優勝を果たした。
 両角監督の狙いが面白いように当たり、選手たちものびのびと走ったことが最大の要因だが、この優勝は「このままではずっと勝てない」という危機感から生まれた選手たちの自発的な走りへの取り組みが大きい。
 全日本大学駅伝後、「どうしたら箱根で勝てるのか」ということを選手間で話し合った。両角監督からはレース参加(関東学連記録会や八王子ロングディスタンスなど)を取りやめ、選手たちは合宿で”箱根仕様”の体をつくることになった。そのなかで、コンディションの調整は選手個々に委ねられた。
 責任を選手に持たせることで「走れない」という言い訳は通用しなくなった。初めて自分自身に向き合った選手たちは意識が変わり、各自でジョグの距離を伸ばしたり、独自の練習法に取り組んだ。

関連記事(外部サイト)