東海大史上最強。箱根駅伝「山コンビ」はいかにして誕生したのか

山は、相当いけると思います」と自信満々の表情を見せるようになった。
 5区は、高校時代からの夢だった。これまで東洋大の柏原竜二や青学大の神野大地が5区を駆け、順位を一気に上げていく姿を見て「カッコいいな」と思った。体型が似ている神野の走りに自分を重ね、九州学院の恩師である禿雄進(かむろ・ゆうしん)に「必ず5区を走ります」と宣言していた。
 そして、ついに箱根の5区を任される時が来た。設定タイムは73分30秒にした。
 トップ東洋大とのタイム差は2分48秒。4区の館澤から襷(たすき)を受けると、差をつめるために突っ込んで走った。
「うしろの青学との45秒差はまったく気にしていなくて、とにかく前を追おうと思っていきました」
 7キロの太平台で40秒詰め、2分8秒差になった。11.7キロ付近の小涌園では、1分43秒差まで縮めた。表情を変えることなく、淡々と山を駆け上がっていく。小涌園から芦之湯までの区間は縮まらなかったが、そこは”想定内”だったと振り返る。
「前から突っ込んだので、そこで少し落ち着いて、ラストの下りでどれだけ詰められるか。上りきったあとの下りが勝負かなと思っていました。自分は上りだけじゃなく、下りも得意なので……」
 山を上りきった時点で時計を見ると、設定タイムよりかなり速かった。

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