東海大史上最強。箱根駅伝「山コンビ」はいかにして誕生したのか

小涌園では逆に中島が7秒縮め、太平台では1分19秒差になった。
「最初、上りは突っ込んでいこうかなって思ったんですが、タイムを見ると昨年よりも早かったので『このくらいでいいかな』と。ただ、途中で時計がおかしな設定になってしまい、タイムがまったく見えなくなってしまって……。いつも感覚勝負なので、そんなに気にはならなかったんですけどね(笑)」
 太平台を過ぎると、中島はスピードを上げた。17キロの函嶺洞門では1分3秒差になった。そして残り3キロ地点で両角監督から声がかかった。
「いいぞ、秒差でトップできている」
 中島は、そこで初めて「自分が速いんだ」とわかったという。
「走りながら、沿道の応援とかチームメイトの声を聞いて『自分は速いんだろうな』というのは何となくわかっていたんですけど、タイムがわからないですからね。両角先生にはラストも『区間新を狙えるぞ』って言われたんですが、さすがに……きつかったです」
 中島は勝負どころになると考えていた最後の3キロは、下りで足を使ってしまい、もう余力がなかった。
「左足のくるぶしに痛みが出たあと、練習量を落としたんですけど、それで体は軽くなったんです。でも、練習ができていなかったので、最後は足がもたなかった。痛みはなかったんですが、完全に足がつってしまいペースを上げられなかった」
 中島のタイムは58分6秒。

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