ラウンド16へ突入するCL。グループステージを4名の達人が総括した

たとえばサッリ時代はセンターバックのクリバリがとても輝いていましたが、それはボール保持者に対して積極的にアタックをする守備だったからだと思います。ところがアンチェロッティの守備は、確かに堅いことは間違いないのですが、攻撃的な守備ではないのでクリバリのよさが消えてしまったように感じるんです。攻撃面に関しても、すっかりゴールが減ってしまいました。
倉敷 ナポリとリバプールの勝ち点は9で同じでした。直接対決も1‐0と1−0の1勝1敗で1得点1失点ずつと差がない。得失点差も+2で同じ。グループステージ突破の明暗を分ける次の条件は総得点差です。リバプールは9得点、ナポリはわずか5失点ながら7得点しか奪えていなかった。そこがサッリ時代と大きく違う部分でしたね。
 アンチェロッティ監督は「私は4−3−3から4−4−2に変えた。それによって守備が安定した」と記者会見では誇らしげに話しましたが、得点力の低下がグループステージ敗退の原因になったのは皮肉でした。優勝を目指し直接対決で争っていくラウンド16以降であればそれでよかったのでしょうが、グループステージではマイナスに働きました。
 では次にグループD。ここは、ポルト、シャルケ、ガラタサライ、ロコモティフ・モスクワの4チームによる戦いでした。1位になったポルトは5勝1分0敗と圧倒的な成績でしたが、グループ分けに恵まれたようにも思えます。小澤さんはこのグループをどのように見ていますか?
小澤 ポルトはバランスがいいですね。セルジオ・コンセイソンも監督として今後ステップアップしそうな印象を受けましたし、情熱だけではなく、きちんと戦術の落とし込みもやっていて、今後も期待できそうな気がします。
倉敷 この強さは本物と見てよさそうですか?
小澤 本物だと思います。ただ、ポルトガルリーグのチームは冬の移籍マーケットで選手を引き抜かれる可能性が高いので、そこがラウンド16に向けての不安になっていると思います。現状、ヤシン・ブラヒミ、エクトル・エレーラといった選手はプレミア勢から声がかかっているようですし、そうなったらチーム力がダウンしてしまうのは間違いないと思います。仮にブラヒミが移籍してしまったらポルティモネンセの中島翔哉が玉突き移籍で加入するのではないかという報道もありますので、そこは別の意味で注目しておきたいですけどね。
 それと、もうひとつポルトで話しておきたいのは、GKのイケル・カシージャスの存在です。本当に安定感があって、またスペイン代表に復帰してもおかしくないくらいのパフォーマンスを見せていて、ラ・リーガのファンの人にはぜひ見てほしいですね。
倉敷 このグループで付け加えておきたいのは、ガラタサライの長友佑都のことです。グループステージにおけるガラタサライのすべての試合を担当しましたが、彼は監督の信頼も厚く、チームメイトからもサポーターからも本当に愛されていると思えました。色々な意味で、長友佑都はフットボーラーとして必要な言語をしっかり持っている選手です。新しいチームへどう溶け込むべきか? 海外を目指す選手なら彼のアプローチを研究して手本にすべきでしょう。ガラタサライはヨーロッパリーグへの切符は死守しましたから別の舞台になっても頑張って欲しいですね。
 では、次回はグループEからHまでをレビューしたいと思います。
(つづく)

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