甲子園で際立った存在感。ユル強い個性派チーム、嘉手納の夏

 今夏の甲子園大会、もし「もっとも風変わりなチームはどこか?」と聞かれたら、迷わず嘉手納(沖縄)の名前を挙げるだろう。

 170センチ96キロの巨漢スラッガー・大石哲汰が注目されたが、野球選手として考えれば大石は「真っ当」に見えてしまう。それほど周囲を固める選手たちが予測不能の「濃い」チームなのだ。

 8月11日の前橋育英(群馬)との初戦。最初にショート・古謝巧真(こじゃ・たくま)のフィールディングに軽い驚きを覚えた。普通の高校球児なら、ゴロを捕ってスローイングまでの一連の流れを迅速にするものだ。だが、古謝は捕ってから投げるまで、ずいぶんと落ち着いている。というか、落ち着き過ぎて「のんびり」しているようにさえ見える。高校野球というより、メジャーリーグ寄りのフィールディング。それでアウトにできているからいいのだが、見ていて少しハラハラさせられる。

「守備には自信があります。落ち着き過ぎ? いや、わからないですね。いつもあんな感じです」(古謝)

 あとで知ったことだが、古謝は野球以外の分野で意外過ぎる才能を発揮している。「第27回伊藤園おーいお茶新俳句大賞」で高校生の部大賞を受賞したのだ。76万近い応募作のなかで古謝が受賞した作品は「教頭が スルメをひとつ 買っていた」。文化祭の出店で教頭が駄菓子のスルメをひとつだけ購入したことにインパクトを感じての一句だという。この句からも古謝の独特な感性が伝わってくる。

この記事の続きを読む

1