勝負は試合前から。甲子園の主将たちが語る「じゃんけん必勝学」

「勝負はじゃんけんから始まってんの。監督にはプランがあっからね」

 甲子園での優勝3回を誇る常総学院の木内幸男元監督の言葉だ。

 相手との戦力を比較して、こちらが有利と思えば後攻、相手に分があると思えば先攻を選択するというのが木内元監督の考え方だった。取手二の監督時代、決勝で桑田真澄、清原和博を擁するPL学園を破ったときは先攻で初回に2点を先行。先手必勝で流れを作り、延長戦を制して"番狂わせ"を演じている。常総学院で常勝チームを作った後は、「ウチより弱い方が後攻を取ってくると、『おっ、この野郎』と思った」とも言っていた。

 木内監督が最後に優勝した2003年夏にキャプテンを務めていたのが、松林康徳部長だ。その夏、先攻後攻を決めるじゃんけんで松林は無類の強さを発揮。茨城大会から甲子園の決勝まで、なんと10勝2敗という成績を残した。松林の必勝法は、じゃんけん前の握手で強く握り、"最初はグー"を自分の声で始め、間髪入れずに「じゃんけんポン」に持っていくというもの。

「人間の心理として、強く握ると、グーは消えるんです。"最初はグー"の後にパッとやれば、相手はパーを出すので、チョキを出していました」(松林)

 握手後、自分の声で"最初はグー"を始めれば、じゃんけんをするタイミングはこちら側が主導権を握ることになる。間を与えないことで、相手は一番出しやすいパーを出す確率が上がるというのだ。

「2敗は柳ヶ浦の吉良(俊則、元近鉄=初戦の相手)と東北の片岡(陽太郎=決勝の相手)なんです。どっちも左利きなんですよ」(松林)

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