清武弘嗣、鮮烈デビュー。スペイン人も「オー」と驚く粋なプレー

「チノ(中国人)じゃねえよ。ハポ(日本人)だ」

 前列に座っていた若いサポーターが振り返って叫んだ。

 サンチェス・ピスファンで行なわれた2016〜17シーズンの開幕戦、セビージャ対エスパニョールの一戦は、合計10得点が飛び交う乱打戦となった。

 記者席の横に座っていた中年のセビージャサポーターは、清武にボールが回るたびに「うまいじゃねえか、中国人」と大声をあげていた。彼に悪意があったわけではないはずだ。日本人が外国人を見れば国籍に関係なく「ハロー」と声をかけてしまうように、東洋人イコール中国人だと思っているスペイン人も少なくない。

 だが、自分の愛するクラブの選手の国籍を知らないことはただの無知ではすまされない。だからこそ、その中年サポーターの前列に座った若いサポーターは、何度目かの「チノ」という言葉に反応し、冒頭の言葉をぶつけて間違いを訂正させたのだ。ともかく、清武弘嗣のプレーはスペイン人の心を引きつけた。

 6対4と勝利したこの試合、清武はリーガに渡った日本人初となる開幕戦1得点1アシストという目に見える結果を残しただけではなかった。

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