鳥栖にタイトルを――好待遇の移籍を断った豊田陽平の思いは届くか

■Jリーグセカンドステージ
 逆転優勝を狙うキーマン(1)サガン鳥栖

 Jリーグのセカンドステージ、サガン鳥栖はファーストステージの苦戦が嘘のような快進撃を見せている。「過去最高に厳しい練習」の成果だろうか。首位とは勝ち点1差で3位(第10節終了時点)と、悲願の優勝に向け、残り7試合を戦う。

 浮沈の鍵を握る選手は、FW豊田陽平(31歳)を置いて他に考えられない。

 豊田は、鳥栖の"戦術シャフト"となっている。前線でボールを呼び込み、敵守備陣を消耗させ、味方にポイントを作り、攻守を駆動させる。何より、J1で4年連続15得点以上を記録する得点力が、鳥栖を走らせてきた。今シーズンもセカンドステージに入ってゴールを連発し、シーズン合計11得点。日本代表に選ばれていないのが不思議で、川崎フロンターレのFW大久保嘉人と並び、Jリーグ最高のストライカーと言えるだろう。

 マッシモ・フィッカデンティが新監督に就任して迎えたファーストステージ、鳥栖は15位に低迷していた。タイトル争いどころか、残留争いに巻き込まれるありさま。豊田が奮戦することによって、どうにか踏みとどまっている格好だった。

「(ファーストステージの成績を考えると)さすがにタイトルうんぬんを語るのは虫がよすぎると思うんで。まずは残留確定を、ですかね」

 セカンドステージ開幕戦に勝利を収めたあと、豊田は慎重に展望を話していた。地に足をつけた彼らしい弁だろう。

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