卓球・丹羽孝希「リオの銀メダルが思ったより嬉しくなかった理由」

 卓球日本男子史上初となる団体でのメダル獲得。銀メダルを首にかけた瞬間、丹羽孝希が感じたのは違和感だった。

「思ったより嬉しくなかったんです。本当はもっと嬉しいと思ったんですけど」

 試合中、喜怒哀楽は見せない。派手なガッツポーズをすることもない。感情やパフォーマンスよりも結果。そして、常識にはとらわれない。それが丹羽のスタイルだ。

 誤解されやすいことは本人も十分理解している。日本人初のプロ選手で、現在、丹羽とアドバイザリー契約を結ぶヤマト卓球の社長である松下浩二は、丹羽が試合で負けた翌日、たいてい「なぜ丹羽は声を出さないんだ!」「なぜ負けても悔しがらないんだ!」とクレームの電話がかかってくるという。

 松下は丹羽に「選手それぞれのスタイル、考えがある。好きなようにすればいい。ただ、応援してくださる方が、負けても悔しそうにしない選手を見て怒りを覚えるのは当然だということは知っておいたほうがいい」と声をかけたことがあるという。それを聞いた丹羽は、「はい」と返事をしている。

 リオ五輪の直前も、丹羽は自身のスタイルを崩さなかった。

 ワールドツアーでの1回戦負けが続いた6月下旬、松下が休養を提案。丹羽はそれに同意した。

 松下は1、2日の休養だと思っていたのだが、丹羽は一向に練習を再開しなかった。7月2日、インカレの前日になって、ようやくラケットを握る。

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