ひと振りで試合を決める男・エルドレッドの「カープ愛、日本愛」

 歓喜の胴上げのなか、大きな腕が緒方孝市監督を包んだ。広島を愛し、日本で成長を遂げたブラッド・エルドレッドも25年ぶりの優勝に大きく貢献したひとりだ。

 上位、下位関係なくどこからでも点を取れる今季の広島打線は「ビッグレッドマシンガン」と呼ばれ、9月13日現在、得点、打率、本塁打すべてでリーグトップを誇るなど、相手チームの脅威となった。

 なかでも196センチ122キロの巨漢・エルドレッドは、ひと振りで試合の流れを変え、何度もチームに勝利をもたらした。ここまでチームトップの本塁打数は鈴木誠也だが、エルドレッドが相手に与える威圧感は特別だ。

 今季はただ振り回すだけのバッティングではなく、チームのコンセプトだった"つなぎの野球"にも対応できることを証明してみせた。これまでの4番ではなく、5番や6番で起用されることが増え、新加入した同僚ルナからの影響も少なくない。

 対戦相手の執拗なマークも、前半戦はものともしなかった。チームの方針に合わせることで、簡単に打ち取られる打席は極端に減り、逆方向に打ち返すなど、30代半ばにして打撃の幅が広がった。

 6月に右太ももの裏を痛めて離脱するまで、長打だけなくヒットを量産し、本塁打と安打数でチーム二冠だった。

「いいスイングができている。投手がどう攻めてくるのか、理解しながら打席に入れている」

 日本人投手のデータ、配球パターンはしっかりと頭のなかにある。

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