羽生結弦、不満が残った初戦に「こういう状況は一番楽しいです」

 カナダのモントリオールで開催されたフィギュアスケートのオータムクラシック2日目、フリーを控えた昼の公式練習で、羽生結弦は少し考えている時間が多かったように見えた。さらに、試合直前の6分間練習では終盤に試みた4回転ループ3回がすべてパンク。それにも関わらず、フリー本番ではキッチリと着氷してみせた。

「最近は練習の時にも氷に上がってから3分くらいで体を仕上げて、すぐに曲かけをするという練習を時々やっていますが、その時はループの練習をしないんです。だから6分間練習でループをミスしてもそのままにしていました。昼の公式練習の時には、何もしないでただ場所を変えてやっただけで、一発目できれいに跳べていたので『これは跳べるな。体が覚えているな』と思っていました」

 こう話す羽生は、次の4回転サルコウも決めると、スピードのある動きでコンビネーションスピンをこなし、大きくゆったりとした動きの中にキレもあるステップで伸びやかに滑った。ピアノの曲に身をゆだねて舞うような、流れのある演技。強い音がない曲だからこそできる、しなやかな感情が伝わってくるステップだった。

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