大島と八丈島。「離島の連合チーム」が秋の都大会に勝ち進んだ意義

 野球は9人そろわなければできない──。

 そんな当たり前の前提が当たり前のように崩れる時代が、もう目の前に迫っている。

 今秋の東京都大会。一次予選を勝ち抜いた64校のなかに、ひときわ異彩を放つチームがあった。それは「大島・八丈」。伊豆大島にある大島高校と、八丈島にある八丈高校による連合チームだ。

 大島高校野球部監督で、大島・八丈連合の監督を務めた赤澤秀幸は言う。

「同じ離島の苦しみを分かち合えるところと組みたかったんです」

 連合チームとは、部員が9人に満たない学校同士が組むチームのこと。離島の高校が本土の高校と連合チームを組むことは過去にもあったが、離島の高校同士が連合チームを組むことは、極めて異例と言える。

 7月下旬。8人の3年生部員が引退し、新チームを迎えた大島高校は2年生4人、1年生4人の計8人になってしまった。夏の大会まで監督を務めていた天野一道は、新監督に就任したばかりの赤澤に「秋の大会はどうする?」と尋ねた。赤澤はかねてより考えていた「八丈高校との連合チーム」というプランを打ち明ける。

 天野も賛成し、具体的にどう進めていくか話し合っていたちょうどそのとき。野球部あてに1本の電話が入った。八丈高校野球部監督の佐々木優からだった。佐々木は赤澤に「連合チームを組ませてもらえないか?」と願い出た。赤澤はこのタイミングでの連絡に運命を感じずにはいられなかった。

「僕たちが『八丈さんと組みたい』と話していた、まさにそのときに電話をいただいたので、相思相愛だな......と思いました(笑)」

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