阪神・大山の1位指名と、DeNAの下位指名に見るドラフトの妙味

「この選手が、この順位か......」

 プロ野球ドラフト会議では、前評判からすると意外な順位で指名を受ける選手がいる。もちろん「前評判」といっても、メディアが媒体独自の基準で評価していたり、スカウトからもたらされた一部の情報を元に報じているケースがほとんど。ドラフト会議当日にならなければ、各球団の「本当の評価」は表に現れないのだ。

 2016年のドラフトで起きた最大のサプライズといえば、阪神による大山悠輔(白鴎大/内野手)の1位指名だろう。

 大学日本代表の4番打者を務めたほどの右のスラッガー。「投高打低」と言われた今年、数少ない長距離砲タイプの上位指名候補である。ドラフト会議前から、その潜在能力の高さは各メディアで報じられていた。しかし、まさかドラフト1位とは......。野球ファンだけでなく、多くの他球団スカウトも度肝を抜かれたに違いない。

 阪神はドラフト会議当日の昼に、大山の1位指名を決めたという。その背景には、昨年のドラフトでも直前で高山俊の指名に舵を切った金本知憲監督の意向が大きく反映されたようだ。

 阪神が1位指名すると予想された佐々木千隼(桜美林大/投手)は、意外にも最初の1位入札で指名がなかった。もし、阪神が佐々木を1位指名していれば単独指名となり、2位で大山を獲得することもできたかもしれない。しかし、それは結果論でしかなく、運良く佐々木を単独1位指名できたとしても、大山が2位で残っている保証はなかった。また、大山が今後、プロの世界で文句のつけようのない活躍をすれば「あの年、大山を1位指名して正解だった」と言われることだろう。

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